ファイナンス 2024年10月号 No.707
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c.家族移転費(現行:扶養親族移転料)〈概要〉(エ)その他の種目a.渡航雑費(現行:旅行雑費)〈概要〉(2)旅行役務提供者の要件 26 ファイナンス 2024 Oct.る。今般の見直しにおいて、宿泊料が実費支給となることを踏まえ、現行制度の夜数分を限度としたうえで、実際に宿泊した夜数に係る宿泊費及び宿泊手当に相当する額を支給することとする。家族移転費は、赴任に伴う家族の移転について支給する。家族移転費の額は、家族一人ごとに、職員の移転に相当する旅費の額(交通費、宿泊費、包括宿泊費、宿泊手当、着後滞在費及び渡航雑費(外国旅行の場合のみ)の合計額に相当する額)とする。〈現行旅費制度からの主な見直し内容〉扶養親族移転料の名称を家族移転費に改め、職員と同一生計の同居家族の移転について、旅費を支給可能とする。また、現行の旅費法では、職員に対する支給額を基礎として機械的に減算した金額を支給することとしていたが、移転の実態を勘案し、家族一人ごとに、職員に支給する額を上限として、実費額等を支給するよう改めている。また、外国旅行において、外国から本邦への赴任の場合であっても、職員に遅れて家族が移転する場合は、内国旅行と同様、一年以内の移転に限り旅費を支給可能とする。さらに、職員に遅れて外国に移転した家族について、その後、その家族のみ本邦へ単独で帰国する場合も、旅費を支給可能とする。渡航雑費は、外国旅行に要する雑費について支給する。渡航雑費の額は、予防接種費用、旅券の交付手数料及び査証手数料、外貨交換手数料並びに入出国税その他財務省令で定める費用の実費額とする。〈現行旅費制度からの主な見直し内容〉本邦から外国への旅行又は外国から外国への旅行に要する雑費に加えて、外国から本邦への旅行に要する雑費を支給可能とする。支給内容については、経済社会情勢等に合わせて対応できるよう、その一部を財務省令に委任する。また、現行の旅費法で定額支給としている支度料は、運用上、旅行命令権者に認められた保険料、医薬品等に係る費用を定額の範囲内で実費支給していることから、今般、同じく外国旅行に要する雑費について支給する渡航雑費に統合する。b.死亡手当〈概要〉死亡手当は、職員、その配偶者又は子が外国において死亡した際の諸雑費に充てるための費用として支給する。死亡手当の額は、定額とする。〈現行旅費制度からの主な見直し内容〉職員又はその配偶者が外国で死亡した場合に加えて、職員の子が外国で死亡した場合を支給対象に加えている。死亡手当の定額は、外国における死亡に伴う諸雑費に充てるための費用として通常要する費用を勘案して、財務省令で規定することとする。現行の旅費制度では、旅行代理店等の活用が想定されておらず、原則、旅行した職員本人のみが、旅費の請求主体・受給対象とされている。しかし、実際の運用においては、職員が旅行代理店を活用する場合には、旅行代理店との間で代理受領等指示書を取り交わすことにより、旅行代理店による旅費の代理受領を認めている。本運用においても、旅行する職員は一時的に旅行代金を立て替えていることから、このような職員による立替えをなくし、事務負担軽減を図る観点から、旅行代理店等の活用を更に拡大することが望ましいと考えられる。このため、改正後の旅費法では、事前に各府省等との間で旅行に係る役務の提供に係る契約(以下、「旅行役務提供契約」という。)を結んだ者(旅行役務提供者)は、各府省等に対して、旅費に相当する金額を直接請求・受給できることとしている。これにより、職員の出張・赴任に関する旅費精算に際して、いわゆるコーポレート契約(法人に属する職員に後払いで利用させ、法人が後から一括して代金を支払う契約)が可能となる。旅費法施行令では、旅行役務提供契約を結ぶことができる者として、旅行代理店のほかに、鉄道会社等、海運会社、航空会社、バス・タクシー事業者、ホテル

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