国家公務員等の旅費制度の見直しについて(政令編)ファイナンス 2024 Oct. 25 その構成要素は大きく変わっている。現行の日当は、昼食代を含む諸雑費及び目的地内を巡回するための交通費を賄う旅費とされているが、昼食代は通常の勤務時でも必要となる費用であることから、昼食代は支給しないものと整理する。また、これまで出張先の細かなバス代など証拠書類による証明が困難と想定される交通費について、日当による定額支給を原則とすることで支給手続の合理化を図ってきたところであるが、現状、運賃の確認が容易となっており、運用上も交通費は全行程の実費を計算・支給していることから、日当の構成要素から目的地内の交通費を除くこととする。一方で、宿泊を伴う旅行では、通常の勤務時と比べて諸雑費(夕朝食代の掛かり増しを含む。)が発生する一方で、宿泊料を実費支給方式に変更することや、宿泊代金にそのような諸雑費が含まれない場合があること等を踏まえ、宿泊を伴う旅行に必要な諸雑費(夕朝食代の掛かり増しを含む。)を支給対象とする。以上を踏まえ、旅費種目の名称を日当から宿泊手当に改めるとともに、宿泊手当は、宿泊を伴う旅行に必要な諸雑費(夕朝食代の掛かり増しを含む。)に充てるための旅費として、宿泊を伴う旅行(2日以上の期間にわたる旅行)について一夜当たりの定額を支給することとする。宿泊手当の定額は財務省令で規定することとし、具体的な水準については、民間企業等に係る実態を調査した上で、宿泊を伴う旅行に必要な諸雑費に充てるための費用として通常要する費用の額を勘案して適切な水準に設定することを検討している。なお、上記の見直しを踏まえ、鉄道100km未満の旅行について日当を2分の1とする規定は廃止するとともに、食卓料についても廃止する。(ウ)転居費等a.転居費(現行:移転料)〈概要〉転居費は、赴任に伴う転居について支給する。転居費の額は、転居の実態を勘案して財務省令で定める方法により算定される額を上限として、実費額としている。〈現行旅費制度からの主な見直し内容〉転居費は、新旧在勤地間の距離に応じた定額支給方式を改め、新旧居住地間の移転に係る実費支給方式としている。支給方式の変更に至った考え方は、上述の宿泊費と同様である。なお、国内の転居については、令和2年から、引越しの依頼が集中する時期において引越し代金が高騰していること等を踏まえ、現行の旅費法第46条第2項の財務大臣協議に基づき、各府省等において実費支給することができる運用を実施している。実費を支給するにあたっては、転居に係る費用であっても旅費の支給対象とすることが適当ではない経費(追加料金等)を対象外とするとともに、経済性を担保するために複数の引越し業者による相見積りを取るなど一定の手続を行うことを求めている。詳細は財務省令等で規定することを検討しているが、このような現行運用における実費額の算定方法については、見直し後においても基本的に維持することを想定している。また、現行の旅費法では、赴任時の旅費の支給対象(移転料や扶養親族移転料の対象となる者)について、職員の扶養親族に限定されているが、共働き夫婦の増加や働き方の変化を踏まえ、扶養しているか否かを問わず、職員と同一生計の家族に支給できることとする。それに加えて、職員の赴任に伴い転居を強いられる者の旅行について旅費を支給するという制度趣旨と、新旧居住地間の移転について転居費等を実費支給するという制度設計を踏まえ、赴任時の旅費の支給対象となる家族については、職員と同居している者であることを要する。(後述の家族移転費も同様。)b.着後滞在費(現行:着後手当)〈概要〉着後滞在費は、赴任に伴う転居に必要な滞在について支給する。着後滞在費の額は、内国旅行にあっては5夜分を、外国旅行にあっては10夜分を限度として、現に宿泊した夜数に係る宿泊費及び宿泊手当の合計額に相当する額とする。〈現行旅費制度からの主な見直し内容〉現行の旅費法における着後手当は、日当及び宿泊料の定額を基に、実際に宿泊を要したかにかかわらず、原則として、規定の日数分(内国旅行5日分、外国旅行10日分)の日当と規定の夜数分(内国旅行5夜分、外国旅行10夜分)の宿泊料の合計額が支給されてい
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