ファイナンス 2024年10月号 No.707
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勝興寺がんばろう伏木!!ファイナンス 2024 Oct. 101 高岡市寺」と称されました。越中における浄土真宗の本山および一般寺院の上申下達の仲介など一定の統制に当たった寺院で、本山に準じる江戸時代後期に建てられた本堂は、各地に多く建てられた大規模本堂の模範となった本願寺阿弥陀堂を規範とし、本願寺の宮大工によって図面が引かれたとして有名です。約23年かけて実施された「平成の大修理」により、江戸時代の姿を甦らせるべく大規模な復元修理が行われ、国の補助を受け、1998年(平成10年)からはじまり、本堂の修理が第1期に当たる2004年(平成16年)に完了し、翌、2005年から第2期に着手し、2020年に修理を完了し、江戸後期の当時の姿が蘇りました。本堂や大広間、書院および奥書院をはじめとする12の建造物のうち、本堂、大広間および式台が2022年(令和4年)12月12日に国宝に指定されました。この大広間および式台は現存する建築物では最も古い物となるそうです。また、当支署が入る合同庁舎も、震災により現在も一部のトイレしか使えなかったり、受水槽や付属建屋が傾いたままなどの影響が残っています。しかし、地域の方々と共に「がんばろう伏木」をスローガンに復6.おわりに今年の1月に発生した能登半島地震において、多くの方が被災し今もその傷跡は残ったままの状態が続いています。震度5強を観測した高岡市、当支署がある伏木地区でも、道路のいたるところで液状化が発生したほか、建物が倒壊するなどの被害を受け、先に紹介した瑞龍寺も国宝指定された法堂の木壁がずれたり、重要文化財の壁が剥がれたり、灯篭が倒壊するなどの被害を受けました。旧に向けて今も前進しています。高岡市には本当に沢山の歴史的な建造物が多数あり、今回は国宝2か所のみのご紹介になりましたが、他にも全国的に有名な観光スポットや、おいしいグルメがたくさんあり、それらは高岡市の市街地に多いことから、鉄道や車でのアクセスが非常に良い場所に多数存在しています。高岡大仏:高岡市の大佛寺にある青銅製阿弥陀如来坐像で高さ16m。地元の銅器製造技術の粋を集め1907年から26年の歳月をかけて完成し、奈良、鎌倉大仏と共に日本三大仏です。また、小杉大仏、庄川大仏と共に越中三大仏の一つでもあります。およそ800年前、承久の乱をさけて越中に入道した源義勝が木造大仏を造営したことがはじまりだといわれ、何度も荒廃や焼失といった危機にあいましたが、人々の願いにより再建を繰り返し今の形となっています。ちなみに、高岡大仏は出来栄えの素晴らしさから「日本一の美男」と呼ばれるほどなんですよ。雨晴海岸:万葉ゆかりの景勝地で、万葉の歌人、大伴家持は、この雨晴の風景をこよなく愛し、多くの歌を詠んだとされています。その美しい景色は今も昔も変わらず、浜から眺める岩礁、富山湾越しに見る三千メートル級の立山連峰の雄大な眺めは格別。息を呑む美しさです。源義経が奥州へ落ちのびる途中、にわか雨の晴れるのを待ったという「義経岩」は、地名「雨晴」の由来ともなっています。「日本の渚百選」、「白砂青松百選」、「日本の海水浴場88選」にも選ばれるなど、素晴らしい風景とともに夏場は遠浅で絶好の海水浴場にもなる人気の海岸。岩礁と白い砂浜、青松がつづく景勝地です。このように、いろいろな名勝があり、歴史情緒あふれる高岡市に、ぜひ、お越しください。

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