ファイナンス 2024年9月号 No.706
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具体的な施策例●手続きのボトルネック解消等を図るための体制整備●社内教育等に関する情報提供の更なる充実●保税取締り等の高度化・効率化●利用者の利便性向上:保税業務における手続きの簡素化等を進め、利用者の利便性向上を図る。●保税制度の利活用促進:我が国経済に貢献する観点から、保税制度の潜在的なニーズの発掘を進め、制度の利活用促進を図る。●厳格な水際取締り:保税地域に係る検査・取締りの高度化・効率化により、厳格な水際取締りの水準を維持する。保税制度を取り巻く現状と課題保税制度のあり方に関する基本方針保税制度を取り巻く国際物流の動向の変化に対応し、厳格な水際取締りの水準を維持しつつ、多様なニーズに応え、貿易の円滑化を図るとともに、国際競争力の強化等を通じ、我が国経済に貢献する観点から、以下の3点を「保税制度のあり方に関する基本方針」とする。1.保税制度の現状保税制度の利活用促進(3)利便性向上に資する体制の整備とマインドの醸成2.国際物流の動向の変化厳格な水際取締り保税制度を取り巻く国際物流の動向の変化に対応し、厳格な水際取締りの水準を維持しつつ、多様なニーズに応え、貿易の円滑化を図るとともに、国際競争力の強化等を通じ、我が国経済に貢献する観点から、保税制度のあり方について以下の通りとりまとめる。利用者の利便性向上手続きの簡素化等のニーズ、税関と倉主等とのパートナーシップ、制度の多様な活用保税業務における手続きの簡素化等を進め、利用者の利便性向上を図る。(1)規定・運用の見直し●保税運送・保税作業・保税許可等手続きに関する利便性向上(2)手続きのデジタル完結●保税台帳の保存に関する負担軽減●保税関係手続きにおけるデジタル完結のための対応(NACCSの利便性向上等)輸入貨物の急増、社会悪物品への対応、物流業界の人手不足、港湾・空港分野における国際競争の激化等我が国経済に貢献する観点から、保税制度の潜在的なニーズの発掘を進め、制度の利活用促進を図る。保税地域に係る検査・取締りの高度化・効率化により、厳格な水際取締りの水準を維持する。ファイナンス 2024 Sep. 5 ※施策の検討にあたっては、AEO事業者との連携やベネフィットのあり方にも留意する。厳格な水際取締りを維持しつつ ニーズに合わせた貿易の円滑化を推進保税制度を取り巻く国際物流の動向の変化に対応するためには、税関の3つの使命である「安全・安心な社会の実現」「適正かつ公平な関税等の徴収」「貿易の円滑化」を踏まえ、厳格な水際取締りの水準を維持しつつ、多様なニーズに応え、貿易の円滑化を図ることが求められる。また、保税制度の利活用による企業の国際競争力の強化や地域経済の活性化等を通じ、我が国経済に貢献するとの観点も重要である。経済連携協定等が進展する中、我が国が目指すべき国際物流の方向性も踏まえ、その受け皿となるような制度・運用が求められる。こうした認識のもと、国際物流の動向を踏まえた保税制度のあり方についての3点を「保税制度のあり方に関する基本方針」と位置づけ、さらに、(1)規定・運用の見直し(2)手続きのデジタル完結(3)利便性の向上に資する体制の整備とマインドの醸成を具体的な施策例として掲げた。3つの具体的な施策例は次ページ以降で紹介する。「保税制度のあり方」の概要「保税制度のあり方」の概要3つの「保税制度のあり方に関する基本方針」と 3つの「保税制度のあり方に関する基本方針」と 3つの具体的な施策例を公表3つの具体的な施策例を公表

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