https://www.gov.br/fazenda/pt-br/assuntos/g20/declaracoes/1-g20-ministerial-declaration-international-taxation-cooperation.pdfhttps://doi.org/10.1787/0e451c90-en.り、直ちに当該報告書の内容全てを各国に適用すること等を目指したものでないことに留意する必要がある。(参考)議題一覧◎令和6年5月28日(火)議題1:TFTCの新議長の指名及び冒頭挨拶議題2:リスク評価と新たなリスク議題3:情報交換(Information Exchange)議題4:財産回復-課題と経験議題5:キャパシティビルディング議題6:ジェンダー間の平等◎令和6年5月29日(水)議題7:開会の挨拶議題8:水産業及び金取引業における金融犯罪議題9:コミュニケーションとエンゲージメント議題10:TFTCのマンデート議題11:TFTCへの参加の拡大議題12:加盟議題13:租税犯罪に係る効果的な戦略の設計議題14:協働作業の優先分野の特定議題15:閉会の挨拶とその他案件*13) Third G20 Finance Ministers and Central Bank Governors Meeting(2024), *14) OECD(2024), Designing a National Strategy against Tax Crime:Core Elements and Considerations, OECD Publishing, Paris, *15) 同時に、この報告書では、(他のOECDの報告書同様)各国の法制度や社会情勢が異なる中で、画一的な解決策はあり得ない点も冒頭で指摘しておOECD事務局メンバーと、武田部長(中央)、筆者(前列右から2番目) 14 ファイナンス 2024 Sep.(3)知見の共有(新技術や特定のセクター等)今回のTFTCで議論された事項の3つ目は、実際の租税犯罪の捜査・調査に関する知見や情報の共有である。この文脈では、個別の事例研究、特定セクターにおける租税犯の事例の紹介、今後注視すべきリスクの共有、有効な調査・捜査手法の紹介、租税犯罪の類型(タイポロジー)等が行われた。特に今後議論を進めていくべき点として、新たな技術を悪用した租税犯罪等への対応や、逆に租税犯則調査においてそうした新技術を活用する方策等が挙げられたところである。グラムに言及がなされた*13。租税犯の確実な調査・訴追能力は、税務執行の最たるものである。TFTCとしても、既に述べたOECDアカデミーやTIWB-CI等の各種取組みの改善を支援するとともに、知見や成功例の共有を行うことで、先進各国にもプログラムへの参加を呼び掛けているところである。加えて、今回の会合では、TFTCが本年5月に公表した「租税戦略デザイン(Designing National Tax Strategy)」に関する報告書に関する議論も行われた*14。この報告書は、租税犯の効果的な調査・訴追体制を構築するにあたって、米・英等主要国の例を引きつつ、自国の直面している租税リスクの分析・事案選定における考慮要素等、「租税戦略」を当局が設定することの重要性を述べており、キャパシティビルディングの文脈で今後、参照すべき点が多いと思われる。*15また、知見の共有という文脈で言えば、重要なポイントとして、租税犯則調査部門におけるジェンダーバランスについても議論がなされている。前回会合では、ジェンダーバランスの確保の重要性について、・ ジェンダーバランスの確保は、単に道徳的な議論ではなく、中長期的な租税当局のパフォーマンスを維持していくための議論。納税者からの信頼を維持していくためには、様々な声が等しく反映される組織である必要があるのではないか・ 現状の男性中心主義は、今の仕事のやり方の自然な帰結。単に掛け声をかけるのではなく、仕事の在り方から見直す必要があるのではないか等の指摘がなされ、TFTCのサブグループとしてGender Equality Action Groupが活発に活動を行っている。今回会合では、同アクショングループを主導する国々から今後の構想につき報告があり、議長である武田部長からも、日本の国税庁・調査査察部において、多様な職員が性別等を問わずそれぞれの事情・状況に応じて働きやすい職場づくりを目指した取組みを行っていることを紹介したところである。4.おわりに:今後の展望租税犯罪は、特定の国家(地域)の国庫に対する犯罪であるという点で、様々な犯罪類型の中でも、本質的
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