ファイナンス 2024 Aug. 75高徳院(鎌倉大仏)葉山港 また、鎌倉市の北西部に位置する大船地区には、JR大船駅近くの「大船観音寺」に「白衣観音像(大船観音)」があります。昭和4(1929)年に着工したのち、戦争で20数年間工事が中断したため、約31年かけて昭和35(1960)年にようやく完成したそうです。駅を出ると木々の上から顔を覗かせる白衣をまとった姿が特徴的な胸像(高さ約25メートル・幅約19メートル)は、街のシンボル的な存在です。その制作技術は800年もの間、伝統を守りながら、時代とともに仏具から茶道具やお盆などの日用品の制作へと受け継がれています。鎌倉彫鎌倉を代表する伝統的な工芸品である「鎌倉彫」は、漆塗で彫りの深い陰影のある文様の彫刻が特徴的で、「屈輪(ぐり)文様」という渦巻きが連続した幾何学文様のほか、唐草・牡丹・椿などの植物文様、鳳凰や龍を描いた文様が伝統的な文様として伝えられています。鎌倉彫は、鎌倉時代に禅宗とともに宋から伝えられた彫漆工芸に影響を受けた仏師たちが仏具を作ったのが始まりといわれています。室町時代にかけて、各地の寺院に伝わる「香合」や修験者が仏像や経典などを納めて背負って運ぶ「笈(おい)」などの優品が生まれ、国宝として数多くの作品が残されています。海水浴場・国道134号鎌倉税務署の管轄区域である鎌倉市、逗子市及び葉山町は、いずれも相模湾に面しています。古くから漁業が営まれており、近海で獲れるシラスやアジを提供する飲食店も少なくありません。砂浜が広がる海岸には、それぞれ海水浴場があり、特に夏場は、海水浴客や花火大会の見物客でにぎわいを見せています。湾内では、セーリングやサーフィンなどのマリンスポーツも盛んに行われており、「日本ヨット発祥の地」と知られる葉山の港入口には、セール型の石碑が立っています。また、横須賀市を起点に三浦半島の海岸線から西へ湘南方面に延びる「国道134号」は、映画やアニメなどの舞台として数多く取り上げられています。近年では、劇中に登場した場所を巡る聖地巡礼のため、国内のみならず、海外からも多くの日本アニメファンが訪れています。おわりに鎌倉幕府が開かれ、武家政権の中心地として歴史とともに繁栄した鎌倉市には、市域に史跡や遺構、発掘調査により確認された埋蔵文化財などが数多く存在しています。こうした歴史的な遺産や街並みを保全するため、建築物の高さや色を制限した景観地区の指定や歴史的風致維持向上計画の策定などにより、歴史的な遺産と共生する「まちづくり」に取り組んでいます。また、逗子市は、令和6年4月に市制施行70周年、葉山町は、令和7年1月に町制施行100周年を迎えます。一度訪れたことのある場所も季節やテーマを変えて巡ると、新たな発見や感動を得られることと思います。歴史ある鎌倉・逗子・葉山に是非、お越しください。鎌倉市
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