ファイナンス 2024年8月号 No.705
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[2]. 石田良、服部孝洋(2024b)「主幹事方式入門― 市場公募地[3]. 齋藤通雄・服部孝洋(2023)「齋藤通雄氏に聞く、日本国債市場の制度改正と歴史(前編)」『ファイナンス』59(7),34−45.[4]. 東京都財務局主計部公債課(2012)「東京都の起債運営の取 234)5678b@c+def0ghK2()+,&H2()+IJKLMNO-f0STUVgh9[AK()PQRBSTUVWXYZ[\]@+ijBMk`a^_9`ab@ANOPNOP2()A„…U()†‡'ˆf/‰Šr~‹ra“~Œ$”•–‘Œ$”QRBST—˜Œ$Ž#‘K0’s›ƒœ]WIZ›ƒœ]WIZ !"#$%&'() *+,-./01*13) https://www.zaimu.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/zaimu/R4ir_autumn_date(p.23)参考文献[1]. 石田良、服部孝洋(2024a)「引合方式入門―大阪府債の事例―」『ファイナンス』60(3),22−28.方債を事例に―」『ファイナンス』60(4),22−29.り組みについて」『地方債』62−65.[5]. 服部孝洋(2023)「日本国債入門」金融財政事情出版会.図表9 10年債における都の取組シ団引受方式入門(出所)東京都資料より抜粋*13た、2024年度は、融合方式に代えて、主幹事方式を採用しています。融合方式のメリットとデメリット東京都財務局主計部公債課(2012)では、融合方式のメリットとデメリットを整理しています。メリットとしては、「『投資家との継続的な関係の確保』や『幅広い投資家への販路の確保』を維持しつつ、より条件決定日に近いタイミングで各投資家との対話を行うことにより、時宜に適した、透明性の高いプライシングが可能になることです。積み上げ幹事1社への配分額が大きい(通常100億円)ことから、ロット確保を希望する投資家への対応が可能になることです」(p.64)とする一方、デメリットとして、「あくまでシ団プレマ方式を基本としているため、条件決定日や発行額の設定が機動性に欠けてしまうこと」(p.64)としています。東京都の発行方針には一定の変化も見られます。例えば、2023年度は融合方式を用いませんでした。まBOX 地方自治体が発行する外債について東京都や横浜市など地方自治体の中には、ドル建て債など外債を発行する団体があります。もっとも、地方自治体が外債を発行する理由は、地方自治体が外貨を調達して外貨のまま使用したいというよりは、為替スワップや通貨スワップを用いてドルを調達し、円建てに変換することで調達コストを落としたいということにあります。為替スワップや通貨スワップの概要は、服部(2023)の12章を参照していただきたいですが、いわゆる通貨ベーシスのマイナス幅が大きくなった場合、ドル建て調達をしてスワップで円建てにしたほうが、円建てのまま発行するより調達コストを抑えられるため、通貨ベーシスのマイナス幅が大きくなった場合、ドル債を発行し、それを円建てに直すというファンディングの方法がとられることがあります。地方自治体が発行する外債は、相場環境に応じて発行するという意味で、基本的に主幹事方式に適しているともいえ、実際、主幹事方式に基づき発行されています。5.おわりに本稿では、市場公募地方債の発行で用いられるシ団引受方式の概要を説明し、共同発行債と東京都債の事例を取り上げました。次回は、POT方式とリテンション方式について解説する予定です。*13 42 ファイナンス 2024 Aug.89:;<=>?@ABCDAEFGlBmn,opqmnBrstBuvBwxyz{o|9}'~eBb@KAKB€‚ƒ`aNOPb@A…a“~Œ$NOP9IJKf0™šST›ƒœ]WIZ

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