1 「外生ショック」は、自然災害やパンデミックなどを含むが、これらに限定されない。資金要請の承認の前に、CMIMの最高意思決定機関は、緊急対外収支ニーズが突発的な外的ショックに起因するものであり、脆弱な経済のファンダメンタルズや国内政策運営に起因しないことを確認。2 IMFの緊急融資ファシリティにリンク。3 自由利用可能通貨の導入は危機対応ファシリティ及び危機予防ラインには適用しない。• 突発的な外生ショックから生じる現実かつ緊急な対外収支困難への対応1• 本格的なプログラムが必要でないか、実施可能でない状況下におけるファシリティ• 全てのメンバーが適格性を有する• IMFデリンクの場合は引出可能総額の20%• IMFリンクの場合は引出可能総額の50%2ティを向上• IMFデリンクの場合は6ヶ月• IMFリンクの場合は1年• いずれも1回延長可能(IMFデリンクの満期は最長1年、IMFリンクの満期は最長2年)• 適格な自由利用可能通貨は、米ドル、日本円、又は人民元• 中国(含む香港)、日本、韓国が適格な自由利用可能通貨の供与国• 適格な自由利用可能通貨の各供与国は、その貢献額の50%まで、適格な非米ドルの自由利用可能通貨を供与するオプションを保有• 自由利用可能通貨の各供与国は、支援要請国の要請に応じて、非米ドルの自由利用可能通貨を米ドルに交換するための必要な措置を採る用意がある(参考:RFFの制度設計の概要)i.目的ii.利用iii.引出上限額iv.コンディショナリティ事前適格性及び事後のコンディショナリティを設けず、CMIMへのアクセシビリチェンマイ・イニシアティブの緊急融資ファシリティの創設合意に至る議論最後に(所感)本稿では、RFFの提案から合意に至るまでの議論を、現場の視点で紹介させていただいた。1年半に亘る議論の途中で、思うようにメンバーの支持が得られなかったり、反対するメンバーがいたりと、正直RFF構想がとん挫してしまうのではないかと思う局面が何度もあったが、上司達と諦めずに調整を続けることで、何度も壁を打破し、最終的にRFF創設の財務大臣・中銀総裁レベルでの合意に至ることができた。諦めずに粘ることの重要性を改めて痛感した。られること。もう一つは、パンデミック下での日本の緊急円借款供与等の経験に照らして、特定の国が自然災害やパンデミックといった外生ショックに見舞われた場合、復旧・回復のために、域内からの輸入が増え、地域の通貨への需要が増えることなども想定されること。この2つの逆方向の考慮要素を総合的に勘案し、「最大50%」との結論に至った。担当者として、微力ながら重要な政策立案プロセスに関与し、最終的に成果を見届けることが出来、本当v.満期vi.通貨選択3に貴重な経験をさせて頂いたとも感じている。本稿が、少しでも将来のCMIM更にはグローバル金融セーフティネットの強化の検討の参考にもなれば幸いである。 24 ファイナンス 2024 Aug.
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