第Ⅰ章:外国為替取引等取扱業者のための外為法令等の遵守に関するガイドラインについて1.ガイドライン策定の背景と目的2.外為検査実施に当たっての基本的な考え方第Ⅱ章:経済制裁措置に関する事項1.内部管理態勢の整備等(経営陣の主導的関与、統括責任者の任命等)2.内部管理態勢の整備等(三つの防衛線等)3.リスクの特定・評価4.リスク低減措置5.記録の作成及び保存第Ⅲ章:両替業務における取引時確認等及び疑わしい取引の届出に関する事項並びに特定為替取引等における本人確認義務等に関する事項1.両替業者に関する内部管理態勢等2.両替業務に関する取引時確認等3.両替業務に関する疑わしい取引の届出4.特定為替取引等における本人確認義務等に関する事項第Ⅳ章:銀行等又は資金移動業者による通知義務に関する事項第Ⅴ章:特別国際金融取引勘定の経理等に関する事項ファイナンス 2024 Aug. 19【図表1】外為ガイドラインの項目外国為替取引等取扱業者のための外為法令等の遵守に関するガイドラインの適用について 2.外為ガイドラインの概要外為ガイドラインの全体像は以下図表1の通りであり、第Ⅰ章から第Ⅴ章までの全5章で構成されております。第Ⅰ章では、外為ガイドライン制定の背景・目的や基本的な考え方を示しており、第Ⅱ章以降では、外国為替取引等取扱業者に求められる事項が明確となるよう、これまでの検査ガイドラインの記載ぶりを極力簡素化すると共に、金融庁の「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」との整合性にも配慮しつつ、外国為替取引等取扱業者の各種義務を79項目の「対応が求められる事項」として列挙する形で再整理しております。各章は細かな項目に分かれており、外為ガイドラインの中核的位置づけである第Ⅱ章「経済制裁措置に関する事項」では、Ⅱ-1からⅡ-5までの5項目において、経済制裁措置に関する内部管理態勢の構築や、制裁違反リスクの特定・評価、制裁違反リスクに応じた低減措置の実施等を求めています。まず、Ⅱ-1(内部管理態勢の整備等(経営陣の主導的関与、統括責任者の任命等))においては、担当役員等を統括責任者として任命すると共に、統括責任者が関連部署を束ねて陣頭指揮をとり、制裁違反リスクに係るリスク評価書、リスク低減方針、リスク低減措置に係る手順書の作成・見直し等、外為ガイドラインが求める事項について対応し、必要に応じて役員会等の承認を得る、あるいは役員会等に報告行うことで、経営陣が主導的に経済制裁措置へ関与する態勢を構築することを求めています。次に、Ⅱ-2(内部管理態勢の整備等(三つの防衛線等))においては、第1線、第2線及び第3線の独立確保や各部門が果たす役割の明確化により効果的な内部管理態勢を構築すること、Ⅱ-3(リスクの特定・評価)においては、経営陣が制裁違反リスクの評価過程に関与し、定期・随時にリスク評価を見直すこと等をそれぞれ求めております。Ⅱ-4(リスク低減措置)は、経済制裁措置に関するリスク低減措置について、法令違反に繋がり得る非常に重要な事項が幅広く記載されており、顧客の送金等が外為法の規制対象でないかを取引実施前に適切に確認する「確認義務」の履行に加え、金融機関等が自ら行う取引についても、取引実施前に外為法の規制対象でないか適切に確認することを求めております。最後に、Ⅱ-5(記録の作成及び保存)においては、リスク評価や手順書等の作成・見直しについて必要な記録を作成・保存すると共に、個々の外国為替取引等のリスク低減措置の実施状況についても、必要な記録を作成・保存することを求めています。また、第Ⅲ章「両替業務における取引時確認等及び疑わしい取引の届出に関する事項並びに特定為替取引等における本人確認義務等に関する事項」においては、主に両替業者及び両替業務を行う金融機関等に、犯収法に基づくマネー・ローンダリング対策及びテロ資金供与対策に関する対応を求めておりますが、検査ガイドラインの内容を再整理したものであるため検査ガイドラインとの大きな相違点はなく、第Ⅳ章「銀行等又は資金移動業者による通知義務に関する事項」及び第Ⅴ章「特別国際金融取引勘定の経理等に関する事項」についても、同様に検査ガイドラインとの大きな相違点はありません。更に、外為ガイドラインでは、以下の別紙を添付し、現在実施されている経済制裁等について一覧性のある形で参考資料として示しております。・一部取引に係る支払等の規制が課されている特定の者等、告示により個別に指定されていないが資産凍結等の措置の対象となる者等(別紙1)・現在実施中の特定国(地域)、特定の目的又は特定の取引等に係る支払等の規制(別紙2)
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