ファイナンス 2024年8月号 No.705
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ファイナンス 2024 Aug. 15ベアを行った定期昇給を行った賞与・一時金・手当等増額を行ったその他賃金引上げを行わなかった新規人材の確保業績(収益)好調(見通し含む)同業他社の動向労使間交渉に対応その他設備投資増強同業他社の動向直近に賃上げを実施したためその他5.1%(56社)5.6%(54社)3.3%(36社)2%(19社)103社(10.8%)45社(4.7%)64.4%(711社)70.7%(686社)79.4%(877社)81.9%(794社)43%(475社)34.3%(333社)637社(67.1%)522社(54.9%)159社(16.7%)125社(13.2%)5社(26.3%)1社(5.3%)0社(0%)1社(5.3%)1社(5.3%)1社(5.3%)2社(10.5%)4社(21.1%)2023年度2024年度消費者から理解が得られない価格転嫁をしているものの、人件費の増加分が上回っている変更の余地がない(本社が決めた価格、法律による価格等)その他819社(86.2%)12社(63.2%)同業他社の動向原材料費の高騰分の価格転嫁を優先している取引先から理解が得られない82社(15.4%)46社(8.6%)48社(9%)212社(39.8%)203社(38.1%)175社(32.8%)140社(26.3%)【図表5】2023-2024年度の賃上げの動向【図表6】賃上げを実施する理由社員のモチベーション向上、待遇改善、離職防止物価上昇への対応【図表7】賃上げを実施しない理由業績(収益)低迷(見通し含む)価格転嫁ができない、または追いつかないため借入金の返済を優先人材の確保を優先(新規人材を含む)内部留保強化を優先【図表8】人件費の価格転嫁ができていない理由地域における賃上げ事例の紹介及び賃上げの動向 そのような中で、2024年の春闘の第7回回答集計結果では、定昇を含む値で5.10%(ベアのみは3.56%)と、1991年以来33年ぶりとなる5%超えの高水準となっている。春闘の結果は、大企業の状況が反映されやすいと言われているが、中小企業に限った場合でも、定昇を含む値で4.45%(ベアのみは3.16%)となっている。こうした結果を踏まえると、中小企業も含めて賃上げの機運が高まっているものと考えられる。5.地域における賃上げ事例当課職員が本年5月に各地域の企業に賃上げの取組等についてヒアリングを行ったところ、多くの企業で「賃上げを実施している」といった声が聞かれるとともに、「コスト高騰分の価格転嫁を進めている」、「人材確保のため企業の魅力向上に向けた給与・人事制度の見直しを行っている」、「省力化投資として新たに設備を導入している」といった声もあった。その中で設備投資や人的資本投資を通じた生産性向上に取り組む事例を以下に紹介する。

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