ファイナンス 2024年8月号 No.705
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01~31~31~31~31~31~343210▲1▲2▲3▲4ファイナンス 2024 Aug. 13(注)役員を除く(出所)総務省「労働力調査」(注)BSI:「不足気味」-「過剰気味」(出所)内閣府・財務省「法人企業景気予測調査」(出所)厚生労働省「毎月勤労統計調査」【図表1】雇用者数の推移(正規・非正規)(万人)3,700【図表2】従業員数判断BSI(%ポイント)大企業【図表3】賃金の動向(%)3,6503,6003,5503,5003,450201940302010▲10201947~~69201910~1247~~69202010~1247~~69202110~12正規非正規(右軸)202020212022中堅企業名目賃金実質賃金20202021「不足気味」超「過剰気味」超47~~69202210~1247~~69202310~1210~1247~~6920242,2502,2002,1502,100202320242,050中小企業202220232024見通し2024年は、持続的・構造的な賃上げを通じて、「賃金と物価の好循環」が起動し、そのようなコストカット型経済から脱却できるかどうかの正念場にある。本稿では、足もとの労働市場や賃金の動向を分析したうえで、2024年の賃上げの動向を概観しつつ、地域における賃上げや人手確保に向けた事例を紹介する。他方で、経済活動の回復等を背景に、足もとの企業の人手不足感は拡大しており、労働需給はひっ迫している。(図表2)このような状況の中で、2023年以降、名目賃金は2%台前後の高い伸び率となっているが、ロシアのウクライナ侵攻や円安の進行に伴う、輸入物価の上昇を起点として、物価上昇が継続しており、実質賃金はマイナス圏内で推移している。(図表3)1.はじめにバブル崩壊以降の日本経済は、長引く低成長と物価の低迷により、「失われた30年」とも称されていた。その背景としては、企業が足もとの利益の確保のためにコストカットに注力し、賃金や投資を抑制したことが長引くデフレの要因とされている。2.労働市場や賃金の動向雇用者数については、2020年の新型コロナ感染症拡大以降、行動制限に伴う対面サービスの減少等を背景に、非正規を中心として大きく減少したが、行動制限の緩和以降、経済活動が回復するなかで、正規・非正規ともに雇用者数は増加している。(図表1)大臣官房総合政策課 寺田 仁史/山本 達哉/野田 芳美/ 南 健人/川本 将平/毛利 真希子地域における賃上げ事例の紹介及び賃上げの動向

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