ファイナンス 2024年8月号 No.705
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2つの条件を満たせば2つの条件を満たせば電子帳簿保存法への対応には、ある程度の資金が必要になるケースもあるが、利用できる補助金がある。会計ソフトや受発注システムなどの導入に対するIT導入補助金だ。5つある類型のうち、通常枠では、中小企業・小規模事業者が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する際に経費の一部を補助してくれる。補助率は経費の2分の1以内で最大450万円となっている。詳しくは、IT導入補助金事務局ホームページ(外部サイト)をご確認くださいファイナンス  20242024 Aug.Aug. 7 7ファイナンス システム対応が間に合わない場合などは、猶予措置が設けられている。次の2つの要件を満たす場合には、これまで説明したルールに沿った対応は不要となり、電子取引データを単に保存しておくだけでよい。2税務調査等の際に、電子取引データの「ダウンロードの求め」及びその電子取引データをプリントアウトした書面の提示・提出の求めにそれぞれ応じることができるようにしている場合。「所轄税務署長が相当な理由があると認める場合」とは、どんな場合か。例えば、次のような事情がある場合は、猶予措置を受けるための「相当の理由」があるとされている。猶予措置を受けるための相当の理由・システムや社内のワークフローなどの整備が間に合わず、要件に従った保存ができない場合。・要件に従って保存できる環境が整っているが、資金繰りや人手不足などの理由で要件に従った保存ができない場合。つまり、資金繰りや人手不足などの特段の理由がないにもかかわらず、あえて要件に従って保存していない場合には、この猶予措置の適用は受けられない。電子取引データの保存方法には、さまざまなパターンがあるため、電子取引データを原則的なルールに従って保存できているか、猶予措置の対象となるかを確認するには、次ページのフローを利用するといいだろう。また、制度についてより正確、詳細に知りたい場合には、国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」に掲載されている電子帳簿保存法の取扱通達・一問一答(Q&A)などを確認されたい。columncolumn電子帳簿保存法への対応に補助金も猶予措置を受けるには2つの要件がある猶予措置が受けられる要件1電子取引データ保存の一定のルールに従って電子取引データを保存することができなかったことについて所轄税務署長が相当な理由があると認める場合(事前申請は不要)。電子取引データ保存の猶予措置電子取引データ保存の猶予措置電子取引データを保存するだけでよい電子取引データを保存するだけでよい

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