ファイナンス 2024年7月号 No.704
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大村公園の菖蒲と板敷櫓国指定天然記念物オオムラザクラ草場小路の五色塀(2)武家屋敷通り(3)大村の郡三踊り(1)長崎街道玖島城の城下町の面影として、五小路(本小路、外浦小路、小姓小路、上小路、草場小路)に旧武家屋敷やその石垣、塀が残っています。特に、草場小路に残る「五色塀」は、色とりどりの海石の石積みを漆喰で塗り固めた大村地方独特の塀で見応えがあります。この小路には、国指定名勝「旧円融寺庭園」があり、江戸時代初期様式の庭園で斜面を利用した400個の自然石の石組み枯山水の庭は圧巻です。外浦小路の先に、藤原直澄が最初に上陸したとされる寺島があり、NHK大河ドラマ「龍馬伝」のロケ地になったことでも有名です。寿古踊、沖田踊、黒丸踊は、後述する領地奪還の際の祝いの踊りを起源とし500年の歴史があり国の重要無形民俗文化財に指定された民族芸能です。このうち沖田踊、黒丸踊は、2022(令和4)年にユネスコ無形文化遺産に登録されています。長崎街道は、江戸時代に整備された九州唯一の脇往還で、小倉から長崎までの全長57里(約228km)で25の宿場があり、大村市内を通る15kmの区間に本陣がある大村宿、松原宿の2つがありました。松原は陸路、海路の交通の要衝として栄えました。街道の南には大村領と諫早領の境の峠である「鈴田峠」があり、当時の景観がよく残っている箇所として文化庁「歴史の道百選」に選ばれ、駕籠立場跡や藩境石などを見ることができます。長崎街道は、出島で輸入された砂糖が運ばれたことから別名「シュガーロード」とも呼ばれ、外国由来のお菓子や当時は高級品であった砂糖を使用したお菓子など独特の食文化が花開きました。こうした長崎街道「シュガーロード」を中心として発展した独自の文化に関連した有形・無形の様々な文化材群は、文化庁により2020(令和2)年に日本文化遺産として認定されています。認定された文化財には「大村寿司」、「へこはずしおこし」がありますので、特産品として後述します。 84 ファイナンス 2024 Jul.4 令和に注目の名所、特産品

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