ファイナンス 2024年7月号 No.704
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参加者との意見交換会場の様子(左から)梅村所長、齋藤氏、横山氏、尾家氏※なお、職員及びサロン講師・パネリストの役職名は執筆時点のものです。「■城活性化サロン(特別回)」の開催現するうえで重要な論点であるとの意見があった後、「人材育成のあり方」、「大学教育のあり方」について質問がありました。齋藤氏からは「近年の環境変化の中では、特に英語やITの素養が必須になっている。また、例えばパブリックセクターでも単なる“執行”ではなく、“企画”の意識が必要となるなど、AIにはできないクリエイティブさが求められているため、社会人になる前の教育段階で想像力や思考力を伸ばすことが重要である」とのコメントがありました。また、金融機関から、ベンチャー企業のグロースのIPO市場について質問がありました。齋藤氏からは「金融環境が変わる中、スタートアップを中心としたリスクマネーへの流れが滞らないよう、これまで以上にしっかりと支援しなければならない局面」としたうえで、「必ずしもIPOではなく、欧米各国では大企業への売却によるイグジットという選択もあり、日本でもその橋渡しを金融機関が担うことが可能ではないか」との見解が示されました。議論が尽きる気配はありませんでしたが、最後に、尾家氏から「茨城の地域活性化のためにやるべきことの処方箋は既にある。あとは信念を持ってやり続けるのみ」とのコメントを、横山氏から「県も“トライアンドエラー、失敗をおそれるな”のマインドでやっているので、是非沢山のアイデアを県に向けて発信してもらいたい」との力強いコメントをいただいて、サロンは終了しました。本紙では詳細まで書ききれませんが、水戸財務事務所ホームページに本サロンをまとめた「経済調査レポート」を掲載していますので、是非そちらをご覧いただければと思います。4.終わりに齋藤氏、横山氏、尾家氏には、水戸財務事務所の取組みにご理解いただいて、本サロンの成功にご尽力いただけたこと、改めて感謝申し上げます。当日は、多くの報道機関から取材を受け、各紙の紙面や地元ラジオ局にも取り上げられたことからも、本サロンに対する関心の高さが感じられました。参加された方々からも、「新しい茨城」への挑戦に向けて感じたこと、心新たにしたことなど、多くの前向きな声をいただくことができました。「新しい茨城」への挑戦に向け、本サロンが少しでも参加された皆様のお役に立てたのであれば幸いです。水戸財務事務所としても、本サロンから得られたヒントや地域の方々との関係性を活かしながら、引き続き地域への貢献に取り組んでまいりたいと思います。 46 ファイナンス 2024 Jul.

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