ファイナンス 2024年7月号 No.704
44/94

*8) 国等の中小企業・小規模事業者向け契約実績比率は約50%である(令和4年度、金額ベース)。ウ 中小企業者支援(中小企業庁)国等の契約において、中小企業・小規模事業者の受注の機会の増大を図るように努める。毎年度、「国等の契約の基本方針」を閣議決定しており、「令和6年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」(令和6年4月19日閣議決定)の主な内容は、以下のとおりである。*8○ 国等の中小企業・小規模事業者向け契約目標・ 中小企業・小規模事業者向け 比率61%・ 新規中小企業者向け     比率3%以上※  新規中小企業者とは、創業10年未満の中小企業・小規模事業者を指す。○ 基本方針における新たな措置・ 「物価高に負けない賃上げ」の実現に向け、官公需においても価格転嫁を進めるため、物価や労務費の上昇へ適切に対応する。・ 令和6年度能登半島地震の被災地域の中小企業者等に対し、受注機会を増やせるよう、発注の際の地域要件の設定や地域への精通度等を適切に評価する。○ その他・ スタートアップの受注機会の増大を図るための措置・ 最低賃金額の改定への適切な対応(1) SBIRにおける研究開発成果の政府調達支援3. 公共調達を巡る最近の動き(スタートアップ支援)〈関連法令〉官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律(昭和四十一年法律第九十七号)(受注機会の増大の努力)第三条 国等は、国等を当事者の一方とする契約で国等以外の者のする工事の完成若しくは作業その他の役務の給付又は物件の納入に対し国等が対価の支払をすべきもの(以下「国等の契約」という。)を締結するに当たつては、予算の適正な使用に留意しつつ、新規中小企業者をはじめとする中小企業者の受注の機会(以下単に「中小企業者の受注の機会」という。)の増大を図るように努めなければならない。等この場合においては、新規中小企業者及び組合を国等の契約の相手方として活用するように配慮しなければならない。(中小企業者に関する国等の契約の基本方針の作成等)第四条 国は、毎年度、国等の契約に関し、国等の当該年度の予算及び事務又は事業の予定等を勘案して、中小企業者の受注の機会の増大を図るための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を作成するものとする。科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律に基づき、令和3年度に抜本改革されたSBIR(Small/Startup Business Innovation Research)は、スタートアップ等による研究開発を促進し、その成果を社会実装して、イノベーション創出を促進する制度である。国の機関からスタートアップ等への補助金や委託費の効果を高めるため、研究開発成果の社会実装に向けて随意契約制度などを実施し、初期段階の技術シーズから事業化までを一貫して支援する。SBIRでは、「指定補助金等の交付等に関する指針」(令和5年6月9日閣議決定)に従って、政策ニーズや政府調達ニーズに基づき、国が研究開発課題を設定した上で、フェーズごとに審査を実施し、指定補助金等の交付を通じて一貫した支援を行う。事業化の支援にあたっては、以下のような政府調達手続の特例がある。○ 国や関係機関の入札への参加機会の拡大入札参加資格等級、過去の納入実績の有無にかかわらず、全ての入札への参加を可能とする措置等を活用した入札機会の拡大を図る。○ 国等による研究開発成果の随意契約研究開発成果について、終了時審査結果の公表時に同等の技術がないことが確認されれば、随意契約によ 40 ファイナンス 2024 Jul.

元のページ  ../index.html#44

このブックを見る