本法の規定に違反して旅費を受給した旅行者等に対して旅費の返納を求めるとともに、旅行者の給与等からの控除を可能とする規定を新設する。旅行に要する実費を弁償するためのものとして、旅費本法の適正な執行を確保するため、財務大臣による各デジタル化の進展を踏まえ、旅行命令簿等及び旅費出張や勤務の実態に応じて、自宅発の出張に係る旅旅行者に対する旅費の支給に代えて、旅行代理店等施行期日:令和7年4月1日123 の種類及び内容に係る規定を簡素化する。※宿泊料は、定額支給方式から実費支給方式(上限付き)に変更請求書の様式を廃止する。費の支給を可能とする。に対する直接の支払を可能とする。庁の長に対する監督規定を新設する。ファイナンス 2024 Jul. 33【図2】「国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案」について国家公務員等の旅費制度の見直しについて(法律編)*12) 旅費法が制定された昭和25年以前において、旅費は、人に支給される経済的利益であるという点から、広い意味での「給与」に含めて考えられる場合が多かったため、給与法定主義の要請から、給与と同様に、旅費においても法律にその詳細が定められたと考えられる。他方、現在では、旅費の支給は給与の支給から明確に分離された経理手続と理解されているため、基本的事項は法律で定めつつ、技術的事項は政令に委任することで、国内外の経済社会情勢の変化に対応できるようにすることが適当であると考えられる。(1)旅費の計算等に係る規定の簡素化(2)旅費の支給対象の見直し国家公務員等の旅費制度について、国内外の経済社会情勢の変化に対応するとともに、事務負担軽減を図るため、旅費の計算等に係る規定の簡素化及び支給対象の見直しを行うほか、国費の適正な支出を図るための規定を整備する等の措置を講ずる。「国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案」についてでの審議を経て、全会一致で可決・成立し、同年5月15日に公布された。改正旅費法の概要は【図2】のとおりである。第一に、旅費の種類及び内容に係る規定を簡素化している。現行の旅費法は旅費の種類や内容の詳細を法律で規定しているが、旅費は実費弁償であり、必ずしも給与のように法律で詳細を規定する必要がない中で、旅費の種類や内容に係る技術的事項を政令に委任することで、適時・適切に時代の変化に対応できるような制度に改めることが適当であると考えられる*12。このため、改正後の旅費法では、法第6条において、旅費の種類及び内容は実費を弁償するためのものとして政令で定めることとしている。これに伴い、元々第48条まであった法律が第12条までとなり、旅費の種類や内容に係る詳細は政令等で規定されることとなるが、財務省においては、国会審議に際し、説明責任を果たす観点から、政令等で規定する予定の旅費の種類及び内容に係る検討案(【図3】)を示してきた。これを踏まえ、今後制定する政令においては、例えば、宿泊料については、定額支給方式ではなく、上限付き実費支給方式とすることを予定している。第二に、デジタル化の進展を踏まえ、旅行命令簿等及び旅費請求書の様式を廃止している。これは、現行の旅費法では、書面での手続を想定して、旅行命令簿等や旅費請求書の様式を定めることが規定されているが、旅費システムによる処理を促進し、事務処理の簡素化を図る観点から、書面での提出を想定した様式を廃止することとしたものである。今後は、旅費法令における独自の様式にとらわれず、柔軟なシステム開発が行われることが期待される。第一に、出張や勤務の実態に応じて、自宅発の出張に係る旅費の支給を可能としている。旅費法制定当時は、官署以外で勤務することが想定されなかったため、出張は、職員が勤務をする官署から出発すること旅費の計算等に係る規定の簡素化旅費の支給対象の見直し国費の適正な支出の確保
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