ファイナンス 2024年6月号 No.703
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地方創生コンシェルジュ東海財務局津財務事務所長 米倉 洋成東海道の宿場町、伊勢国の玄関口として栄え、豊かな自然と多様な産業を兼ね備えた桑名市。DXや公民連携の推進を掲げ「メタバース役所」に取組むなど、時代の変化に対応して様々なことに挑戦する気風が育まれていると思います。「くわなスタートアップ・オープンフィールド」は、そんな挑戦志向の気風、多様な実証環境を持った街という強みを活かした取組みであると言えます。ここ桑名市をスタートアップの「宿場町」として、新たな価値を産み出し、地域が刺激を受けることでまた新たな取組みにチャレンジする。そんな好循環が「伊勢国の玄関口」から全国に発信されていくことを期待しています。 ファイナンス 2024 Jun. 63目指しています。地方創生には地域固有の強みを活かすことが不可欠で、地域の自然や文化を前面に出したイノベーションが求められます。本年3月には、国が推進するスタートアップ支援の動きを受けて、「くわなスタートアップ・オープンフィールド戦略」を策定しました。本市の強みである公民連携のノウハウを活かし、桑名の地を実証フィールドとしてご活用いただく本市の独自戦略です。本年度も引き続き実証プログラムを実施し、共創のモデル事例を創出しながら「スタートアップ・オープンフィールド」の仕組み化を進めます。こうした取り組みは、地域経済の活性化だけでなく、市民が誇りを持てる魅力的なまちづくりにもつながるものであり、継続して取り組んでいく考えです。地方の活性化は喫緊の課題です。人口減少や高齢化が進む中で持続可能な地域社会を実現するには、行政と民間企業が連携し、イノベーティブな取り組みを推進することが不可欠となっています。そうした観点から、本年3月、桑名市と中部電力株式会社は、スマートシティの実現に向けた包括連携協定を締結しました。1.データ活用による便利なまちづくり(データ連携基盤)、2.脱炭素社会の実現(GX)、3.地域資源を活用した魅力あるまちづくりをテーマに、幅広い分野で連携していく考えです。地方自治体と地域の社会インフラを支える民間企業が、それぞれの強みを結集して課題解決を図ることで、中部地域の持続的発展に寄与することを目指します。地方を活性化するには、行政と民間企業が対等なパートナーとして協力し、互いの強みを活かして地域の実情に即した政策立案と実行が重要です。本協定がそうした公民連携のモデルケースとなり、中部地域の地方創生に資するよう取り組みを進めます。「伊勢国の玄関口」の挑戦に注目 6.おわりにDXと公民連携の推進によって「スマート自治体への転換」を進め、地域の誰もが利益を享受できる仕組みづくりに取り組んでいます。デジタル技術の最大限の活用は地方創生の重要な柱であり、ご紹介した一連の取り組みは、本市の継続的な挑戦を通じて、市民サービスの向上と行政の効率化を実現し、市民のWell-beingの向上を目指すものです。これからもデジタルと地域の魅力を融合させながら、未来へと歩みを加速させていきます。5. 未来を見据える「スマートシティの実現」に向けて桑名市

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