地域観光交流拠点施設(基本設計時点の外観イメージ)万人弱まで落ち込み、廃業したホテルが放置されるなど、街の安全性の確保や景観など観光業に悪影響を及ぼし衰退の一途をたどっていました。その様な中、環境省が2016年からスタートした国立公園満喫プロジェクトに本町が属する阿寒摩周国立公園が選ばれました。「自然との共存」、「選ばれる観光地」を目指し、同プロジェクトによる廃業ホテルの解体を進め、新たな温泉街整備を進めているところです。2023年10月には解体と並行して、川湯温泉の特徴を生かした適正規模の温泉街再構築を目指し「川湯温泉街まちづくりマスタープラン」を策定しました。特徴として、民間企業と地元企業、自治体との官民連携手法(PPP:Public Private Partnership)の活用や、川湯温泉エリア開発を行う組織として、地元事業者や住民が主体となる「まちづくり会社」の組成を計画しています。また、豊富な温泉が流れる「湯の川」を活用した川湯広場や日帰り入浴施設など温泉街のシンボリックな施設整備を進め、廃業ホテルの解体後には新たなホテル事業者を誘致しています。周辺では、川湯テラスや川湯横丁などのにぎわいを生み出す商業エリアの再構築、自然に囲まれたキャンプ事業者の誘致、各種アクティビティー開発等を推進しています。このほかにも温泉川沿いを街のメイン歩行空間としたウォーカブルなエリア、温泉熱を使った熱交換などの環境配慮、従来型の宿泊だけではないワーケーション等の多様な滞在が出来るエリアの整備を計画しています。20年先を見据え、いつでもにぎわいを感じられて地元住民も豊かに住み続けられる「カルデラの森の温泉街」再生を目指しています。この施設は公共施設の集約化や町民の居場所づくり、来訪者との交流はもちろん本町らしい温泉を活かした地熱エネルギーの有効活用の視点に立った、持続3.中心市街地の活性化川湯温泉の再構築が進む一方、本町の中心市街地では市街地の再生を図るべく図書館や温浴施設、プールなどを合わせた地域観光交流拠点施設(令和8年度供用開始)の建設を進めています。可能な市街地形成の拠点となります。周辺市街地の整備とコンパクトシティ化を進め、多様な人々が集う市街地のランドマークとなるよう、設計段階から町民のみなさんとワークショップを何度も重ねることで、「私たちの施設」という当事者意識をもっていただき、共に施設づくりを進めています。また、設計に当たっては、効率的かつ満足度の高い運営が可能な民間の事業者を同時に選定し意見を反映させ、更に町の都市再生推進法人も運営に携わるスキームで、町民とともに官民が連携して、地域の良好な環境や価値を向上させ、持続可能なにぎわいのある市街地づくりを進めています。4.移住定住促進いろいろな場面で注目を集める中、移住を検討している方へのアピールを強化しています。四季折々の大自然や充実した子育て支援対策はもちろん、地域おこし協力隊員が中心となって運営するYouTube弟子屈町公式チャンネルでは、まちの近況や移住者向けの情報などを発信し、小さな自治体ながらも登録者数は5,000人を超えています。オーダーメイド制の移住体験プログラムでは、こちらも地域おこし協力隊員の移住コーディネーターが移住を検討されている方とヒアリングを行い、個々の希望に沿ったプログラムを実施しています。こうした成果は、今年1月に総務省から公表された住民基本台帳に基づく2023年の人口移動報告では転入超過に転じ、4月に厚生労働省から公表された2018~2022年の合計特殊出生率は0.01ポイントながら上昇するなど、統計にも表れてきていま 60 ファイナンス 2024 Jun.
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