[座談会参加者プロフィール]桃田 翔平財務総合政策研究所 総務研究部 研究官 (当時)2022年に京都大学で博士号(経済学)を取得し、2021年〜2024年に財務総研で研究官として勤務。専門はマクロ経済学や労働経済学で、理論研究と実証研究の両方に従事。現在は広島大学の経済学部で助教として勤務の傍ら、財務総研の客員研究員も受嘱。吉元 宇楽財務総合政策研究所 総務研究部 研究官2021年に横浜国立大学で博士号(経済学)を取得し、2021年4月から現在まで財務総研で研究官として勤務。専門は国際経済学で、特に為替変動や国際貿易についての実証研究に従事。財務総研では輸出入申告データを活用した共同研究の支援業務を担当。PRI Open Campus ~財務総研の研究・交流活動紹介~ 32ファイナンス 2024 Jun. 51[座談会の様子]1.現役研究官との座談会現役の研究官である桃田研究官(当時。以下、「桃田」)、吉元研究官(以下、「吉元」)、インタビュアーとして浅井係員、林研究員の4人で座談会を行いました(2024年2月実施)。財務総研での業務内容や過ごし方など、約3年間財務総研の研究官を務められたお二人から財務総研のリアルをお届けします。もらえるところが面白い職場だなと思います。吉元:研究に行き詰まった職員が桃田さんにふらっと相談しに来る場面をよく目にします。私自身も桃田さんに研究に関して意見を求めることがありますが、どんな質問に対しても必ず適切なコメントをいただけるので助かっています。私が3年間研究官として過ごして感じるのは、財務省という行政の立場でありながら、職員の方々に経済学の研究内容に興味を持っていただき、深いご理解のうえで我々の研究活動を支援していただけているということです。一つのプロジェクトに、研究者である自分と同じ方向を向いて進んでもらえるので、大変ありがたいです。自分自身の研究者としての見方だけでなく、行政的な視点から意見がもらえるので、多角的に物事を捉えることができるようになりました。また、私たち研究官と年齢の近い職員も多いため、行政官としての仕事の進め方など、不安なことも気負わずに質問できる環境も整っていると思います。林:私も民間企業出身ですが、財務総研は特に多様性に溢れる職場という印象を持っています。研究者として専門性を持った方や財務省、財務局等で行政に関わってきた方、民間企業出身者と、様々な価値観やバックグラウンドの中で、今までにない新たな繋がりや知見を深めることができる場所であると思います。浅井:研究者という立場の方は、行政機関でお仕事をされる機会はあまり多くないかと思います。ご自身の研究浅井:桃田さん、吉元さんは、財務総研で約3年間研究官を務められてきました。林さんや私を含む職員との関係性や職場環境など、財務総研の雰囲気はいかがですか?桃田:私はほとんど自席にいなかったのではないかという程、常に財務総研の誰かとコミュニケーションを取っていたように思います。元々私は机に向かって一人静かに研究するよりは、周りの人と喋りながらアイディアを得ていく研究スタイルなので、研究について気軽に話しかけられる人がたくさんいるという環境は良かったですね。職員から研究内容について質問されることも多いのですが、質問の受け答えの中で、自分の研究に活かせそうなアイディアを見つけることもあります。財務省の職員はもちろんですが、外部の出身者など、様々なバックグラウンドの人がいるからこそ、多様な意見が
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