oitaRPDG/VP10.50-0.5-1-1.5-2-2.5-302022(図表14)純利払費対GDP比の推計 42 020220197010-1-2-3-4-5(図表6)米国債のバリュエーション・ パズル(図表9)米国連邦政府の債務残高対GDP比(%)200(図表7)米国連邦政府の財政と (図表11)債務残高対GDP比の推計コラム 経済トレンド 120ファイナンス 2024 Jun. 43様々な要因が考えられるが、例えば…連邦政府の債務残高対GDP比基礎的財政収支の割引現在価値の総和対GDP比定常状態PV(Surplus)/GDPSteady State ValueGovt Bebt Outstanding/GDP198020001990195019601970(注)Jiang et al. (2022) のFigure E.5 より抜粋のうえ作成基礎的財政収支では説明できない多額の債務残高・国債の流動性・安全性 ・劇的な財政再建期待・国債バブル ・基軸通貨ドルに対する信認・独占プレミアム(米国債の供給主体は米国政府のみ)景気循環リスク(図表8)米国における一般政府ベースの債務残高対GDP比の要因分解(図表13)各年の適用割引利回り(%)2052(図表12)PBの現在割引価値対GDP比の推計(%)2032(%)15105020222052(注)財政再建ケースでは、ベースライン比で毎年GDP対比3%のPB改善を想定20322042205220422052(%)3002001002050(図表10)米国連邦政府のPB黒字対GDP比(%)2030203020502022実績値推計値10019902010100-10-20197019902010(注)文中、意見に関る部分は全て筆者の私見である。(出所)・NBER, NIPA・Brunnermeier, Markus K., Sebastian Merkel, and Yuliy Sannikov. 2022.“The Fiscal Theory of the Price Level With a Bubble.”NBER Working Paper 27116.・Choi, Jason, Rishabh Kirpalani, and Diego J. Perez. 2022.“The Macroeconomic Implications of US Market Power in Safe Assets.”NBER Working Paper 30720.・Jiang, Zhengyang and Lustig, Hanno N. and Van Nieuwerburgh, Stijn and Xiaolan, Mindy Z. 2022.“The U.S. Public Debt Valuation Puzzle. .”NBER Working Paper 26583.・河野龍太郎「国際通貨保有国からの転落リスクと公的債務の持続可能性:日本がアルゼンチンタンゴを踊る日」 『資本市場』 資本市場研究会 2022年10月(出所)・CBO・ Jiang, Zhengyang, Hanno Lustig, Stijn Van Nieuwerburgh, and Mindy Z. Xiaolan. 2022.“Measuring US Fiscal Capacity Using Discounted Cash Flow Analysis.”Brookings Papers on Economic Activity, Fall. 157-209.・米国連邦政府の債務残高に対して、その返済の担保となる、将来にわたる基礎的財政収支黒字の推計値の現在割引価値の総和は過少となっている。最近の研究では、こうした乖離の背景として、流動性や安全性ゆえの米国債需要の強さ、推計の前提を上回る劇的な財政再建期待、国債がその本源的価値を超えてミス・プライシングされている(国債バブル)、基軸通貨ドルに対する信認に基づいた米国債保有動機、供給サイドの単一性に由来した国債の独占価格での供給、などが指摘されている。(図表6,Brunnermier et al.(2022), Choi et al.(2022), Jiang, et al(2022), 河野(2022))・基礎的財政収支黒字は景気後退期に下振れる傾向にあり、こうした景気循環リスクが財政に与える悪影響には注意が必要(図表7)。基礎的財政収支赤字は、一般政府の債務残高対GDP比の大きな増加要因となっている(図表8)。・米議会予算局(CBO)の最新の推計によると、米国連邦政府の債務残高対GDP比は今後も累増を続け、2029年には第二次世界大戦期の水準に到達し、2054年には166%に到達する見通し(図表9,10)。・Jiang et al.(2022)は、2021年公表のCBOの推計を前提に、追加的な試算を行っている。・金利上昇ケースでは、基礎的財政収支赤字の現在割引価値が縮小する一方、利払費の増加から債務残高対GDP比はベースラインを上振れる(図表11)。債務残高対GDP比を現状の水準に維持するためには、ベースライン比で毎年GDP対比3%程度の基礎的財政収支改善が必要となる(図表12)。・金利上昇は債務増加をもたらすため、毎年の1%の金利上昇(図表13)は、利払費の経年での累増に繋がる(図表14)。(%)302520151050-5-10-15-20PB寄与残差債務残高対GDP比の変化201020202002200620102020金利、その他統計上の不一致等が含まれる。ベースラインケースベースラインケース1%金利上昇ケース2022(注)残差はPBで説明できない変動であり、名目経済成長率、2018201020141%金利上昇ケース(%)45403530252015101950(%)1050-5-10-15-20-25-30201020201950実績値推計値国債費を除く歳出/GDP税収・税外収入/GDP19601970198019902000基礎的財政収支黒字/GDP19601990197019802000ベースラインケース財政再建ケース1%金利上昇ケースベースラインケース1%金利上昇ケース財政再建ケース景気後退期2032204220322042米国債のバリュエーション・パズル米国財政の長期推計
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