[7].服部孝洋(2023)「日本国債入門」金融財政事情出版会[8]. Adler, Maxwell(2023)“Muni-Bond Auctions Are Disappearing as Volatility Rattles Market.”Bloomberg Law, Aug 10, https://news.bloomberglaw.com/capital-markets/muni-bond-auctions-are-disappearing-as-volatility-rattles-market[12]. Shneyerov, Artyom(2006)“An empirical study of auction revenue ranking:the case of municipal bonds.”RAND Journal of Economics 37(4), 1005–1022.*26) 下記を参照 *27) https://www.jehdra.go.jp/pdf/irpdf/kihonsetsumeisho.pdf*28) https://www.jehdra.go.jp/pdf/keiyaku/saiken_kyousou30.pdf*29) https://www.dic.go.jp/katsudo/page_002135_00007.html*30) この他にスペインで採用されているようなコンベンショナル方式とダッチ方式の折衷方式も存在します。*31) 米国の場合、地方債は主として主幹事方式(negotiated sale)、入札、私募(private placements)のいずれかの方式により発行されるところ、発行総額の概ね半分が入札により発行されること(Garrett et al., 2023)や、発行総額に占める私募の割合は小さい(Cestau et al., 2019)ことなどが指摘されています。もっとも足下では入札発行はおよそ2割であるとの指摘もあります(Adler, 2023)。参考文献[1]. 石田良・服部孝洋(2020)「日本国債入門:ダッチ方式とコンベンショナル方式を中心とした入札(オークション)制度と学術研究の紹介」財務総合政策研究所PRI discussion paper series(20A-6)[2]. 江夏あかね(2007)「地方債投資ハンドブック」財経詳報社[3]. 神戸市行財政局財政部財政課(2012)「神戸市の主幹事方式を中心とした起債運営とIRの取組みについて」『地方債』,16−20.[4]. 小西砂千夫(2011)「市場と向き合う地方債 -自由化と財政秩序維持のバランス」有斐閣[5]. 齋藤通雄・服部孝洋(2023)「齋藤通雄氏に聞く、日本国債市場の制度改正と歴史(前編)」『ファイナンス』,34−45.[6]. (財)地方債協会(2010)「金融市場環境の変化を受けた地方債投資ニーズの動向と資金調達手法の変化」[9]. Cestau, Dario, Burton Holli■eld, Dan Li, and Norman Schürhoff(2019)“Municipal Bond Markets.”Annual Review of Financial Economics 11, 65–84.[10]. Garrett, Daniel, Andrey Ordin, James W. Roberts, and Juan Carlos Suárez Serrato(2023)“Tax Advantages and Imperfect Competition in Auctions for Municipal Bonds.”Review of Economic Studies 90(2)¸ 815–851.[11]. PMA Securities(2020)“How Municipal Bonds Are Sold in a Public Offering.”https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk21/documents/h31nendo-kensaihakkouhousin.pdf引合方式入門もっとも、これらの自治体はその後、入札方式以外の方法に変えています。例えば、兵庫県については、入札方式で実施していたところ、「幅広い投資家との対話を通じ、本県債の更なる評価向上を図る観点」から、主幹事方式に発行が移行されたと平成31年度県債発行方針で述べています*26。なお、サブ・ソブリンセクターという意味では、地方債だけでなく、財投機関もありますが、財投機関が発行する債券については、例えば、日本高速道路保有・債務返済機構*27による財投機関債*28や預金保険機構による政府保証債*29などがイールド・ダッチ方式で発行している実績があります。前述のとおり今日では入札方式は市場公募地方債における主たる方式とはなっていませんが、入札方式としては主に以下の3つの方式が知られています*30。発行体が借入利率以外の借り入れ条件を提示し、最も低い利率を呈示した金融機関がその利率で全額を落札する方式(単独で引受けることが前提)応札された札について高い価格(低い金利)から順番に落札し、各落札者は自ら入札した価格(金利)で国債を取得する方式。特に価格を用いる場合は価格コンベンショナル方式と呼ばれます。応札された札について高い価格(低い金利)から順番に落札し、目標額に達する価格で全銘柄を発行(最も低い価格(高い金利)を落札者に一律に適用)する方式。特に応札において金利を用いる場合はイールド・ダッチ方式と呼ばれます。典型的には、米国の地方債の入札は総額引受方式により行われていると指摘されています*31(Shneyerov, 2006; PMA Securities, 2020; Garrett et al., 2023)。それに対して、日本の市場公募地方債の入札はその大宗がダッチ方式(イールド・ダッチ方式)により行われています。入札方式のより詳細な説明は、石田・服部(2020)および服部(2023)を参照してください。は主幹事方式を中心に説明する予定です。4.終わりに今回は引合方式について説明を行いましたが、次回 28 ファイナンス 2024 Jun.(1)総額引受方式(2)コンベンショナル方式(3)ダッチ方式3.2 地方債の入札方式
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