ファイナンス 2024年5月号 No.702
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個別銘柄での発行 ※GX経済移行債に係る借換国債を含む。第三章脱炭素成長型経済構造移行債(脱炭素成長型経済構造移行債の発行)第七条政府は、令和五年度から令和十四年度までの各年度に限り、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四条第一項の規定にかかわらず、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策に要する費用の財源については、各年度の予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、エネルギー対策特別会計の負担において、公債を発行することができる。2前項に規定する費用の範囲については、毎会計年度、国会の議決を経なければならない。3脱炭素成長型経済構造移行債の発行は、各年度の翌年度の六月三十日までの間、行うことができる。この場合において、翌年度の四月一日以後発行される脱炭素成長型経済構造移行債に係る収入は、当該各年度所属の歳入とする。(脱炭素成長型経済構造移行債等の償還)第八条脱炭素成長型経済構造移行債及び当該脱炭素成長型経済構造移行債に係る借換国債(特別会計に関する法律(平成十九年法律第二十三号)第四十六条第一項又は第四十七条第一項の規定により起債される借換国債をいい、当該借換国債につきこれらの規定により順次起債された借換国債を含む。次項において同じ。)については、化石燃料賦課金及び特定事業者負担金の収入により、令和三十二年度までの間に償還するものとする。2化石燃料賦課金及び特定事業者負担金は、脱炭素成長型経済構造移行債及び当該脱炭素成長型経済構造移行債に係る借換国債(以下この項及び第十二条第二号イにおいて「脱炭素成長型経済構造移行債等」という。)を償還するまでの間、脱炭素成長型経済構造移行債等の償還金(借換国債を発行した場合においては、当該借換国債の収入をもって充てられる部分を除く。同号イにおいて同じ。)、利子並びに脱炭素成長型経済構造移行債等の発行及び償還に関連する経費として政令で定めるものに充てるものとする。(後略)個別銘柄の発行は、世界初の国によるトランジション・ボンドの発行により、幅広い投資家層からGX投資の資金を調達することに加え、GX政策への理解醸成、国内外のトランジション・ファイナンスの拡大に資する呼び水となることを目指したものである。CT債の令和5年度(以下、初回債)の発行に向けては、令和5年夏頃から「GX経済移行債の発行に関する関係ファイナンス 2024 May 3図表1GX経済移行債の法的位置づけ(GX推進法より抜粋)図表2GX経済移行債の発行方式GX経済移行債(※)統合発行クライメート・トランジション利付国債GX投資を支援する仕組みを創設GX経済移行債特集3.個別銘柄「クライメート・トランジション利付国債」GX経済移行債は、これまでの国債(建設国債、特例国債、復興債等)と同様に同一の金融商品として統合発行することに限らず、調達する資金の使途やレポーティング方法等を示したフレームワークを策定したうえで、国際標準への準拠について評価機関からの認証(セカンド・パーティ・オピニオン)を取得した、個別銘柄「クライメート・トランジション利付国債」(以下、CT債)として発行することになった(図表2参照)。府省連絡会議」、「GX実行会議」等を通じて議論が本格化し、省庁横断でフレームワークの策定やセカンド・パーティ・オピニオンの取得等の準備を進めた(図表3参照)。

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