86420 124コラム 経済トレンド 119ファイナンス 2024 May 55(図表10)ドライバーの業務の課題(長時間待機や附帯作業の多さ)に対する認知度(図表11)再配達率の現状に対する認知度(図表15)「送料無料」表示の見直し(図表16)政策パッケージにおける施策ロードマップ(図表17)「送料無料」の表記に関する受止め(図表12)再配達率の推移(図表14)人手不足対策への対応案(図表18)消費者物価指数の推移(出所)国土交通省「物流に対する消費者意識に関するアンケート」「宅配便再配達実態調査」、一般社団法人日本物流団体連合会「「物流の2024年問題」に関するアンケート調査結果について」○行動変容が見られなければ追加対応○要請先の見直し状況確認(3月)・フォローアップ調査(出所)内閣官房「2030年度に向けた政府の中長期計画」、一般社団法人日本物流団体連合会「「物流の2024年問題」に関するアンケート調査結果について」、総務省「消費者物価指数」・物流産業の魅力化に向けては、施策による「標準的運賃」の引き上げを通じた賃上げの実現や、物流負荷の軽減、働き方改革による労働時間の削減が重要であるが、そのためには、前提として物流の需要サイド(荷主企業・消費者)における、物流を取り巻く課題の認識や理解を通じた意識改革・行動変容が不可欠となる(図表10・11)。・「物流革新緊急パッケージ」では具体的な対策として、ポイント還元を通じた「宅配の再配達率半減に向けた緊急的な取組」により、2024年度に再配達率6%を目指すことが盛り込まれている(図表12)。・パッケージ内では、「政府広報やメディアを通じた意識改革・行動変容の促進強化」も掲げられているところ、消費者の認知度の高まりも感じられ(図表13)、賃上げやサービスの低下に対しても一定の理解が進んでいる兆候がみられる(図表14)。・「物流革新緊急パッケージ」に加え、2024年2月の我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議で、「2030年度に向けた政府の中長期計画」がとりまとめられ、荷主・消費者の行動変容に向けた取組内容として、「送料無料」表示の見直しに関する事項も盛り込まれ、関係事業者は、「送料当社負担」や「送料込み」といった表示への変更が要請される(図表15・16)。・「送料無料」の表記について、無料でモノが届くわけではなく、誰が物流コストを負担しているのかが明確でないことが問題視されている中、「送料無料」の表記に関する消費者の受止めをみると、同関係閣僚会議や消費者庁も掲げている「送料込み」等表記の工夫次第で、消費者の意識改革や行動変容が期待できそうである(図表17)。・価格上昇のトレンドは、財からサービスにシフトしてきている中(図表18)、荷主側の表示見直しが進み、消費者の物流コストへの認識が高まり、適切な対価としての送料負担化の流れが広がっていくことで、物流業界の賃上げの原資になることや当該業界で働く人々の待遇改善、利便性やサービス維持に繋がることを期待したい。要請○方向性の公表(%)0.737.661.7(%)0.251.648.2送料無料送料当社負担2023年度「送料無料」表示2024~2026年度2027~2030年度の見直し(注)文中、意見に関る部分は全て筆者の私見である。知っている知らない無回答知っている知らない無回答(%)送料込み表記を工夫して「送料込み」などとする今まで通り「送料無料」で問題ないこれまで無料でモノが届くと思っていたその他181614121086420(%)15.016.015.015.211.411.911.211.78.541020194102020410201841020216.4聞いたことがあり、内容も知っていた聞いたことはあるが、内容は知らない知らない18.874.81.88.67.781.911.811.111.46%目標4102024(図表13)「物流の2024年問題」の認知度(%)41020224102023賃金を上げて、人手を確保する物流の効率、生産性を上げるサービスが多少低下してもやむを得ない(前年同月比、%)財(除.電気・都市ガス・水道)サービス▲2▲4159201915920200(%)5010062.474.755.9わからない0.6159202115920221592023物流産業の魅力化に向けた荷主・消費者の行動変容「送料無料」に関する実際のコスト負担の明確化
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