*4) 下記を参照。 図表3 資金融通による国庫金の効率的な管理・運用図表4 発行実績がある政府短期証券(FB)の発行根拠別の分類https://www.mof.go.jp/policy/exchequer/exchequer_cash_management/(令和5年4月現在)(出所)財務省「債務管理リポート」(注)上記の図は、基本的に、流通市場において国庫短期証券が恒常的にプラス利回りで取引されている場合を前提としていますが、マイナス利回りの場合であっても、資金需要への対応に際して民間からの資金調達に安易に頼るのではなく、国庫内にある余裕資金をできるだけ有効活用することが重要です。(出所)財務省*4齋藤 外為特会というのはどうなっているかというと、過去に行き過ぎた円高を是正するときに、円売りドル買いの介入をするために、FBを発行してまず円資金を調達して、調達した円をマーケットで介入として売って、外貨であるドルを買って、そのドルの運用として米国債を中心に外貨建て資産を持っているというものです。為券(FB)の残高はものすごく大きいですけれど、介入はそれほど頻繁に行われるわけではないので、外為特会は、過去の介入の結果積み上がった、資金調達のためのFBの残高と、保有している外貨資産の運用を淡々とロールオーバーしている、すなわち、満期がくればFBを借り換える、あるいは資産であれば次のものに投資をする、ということをやっています。*4服部 先ほどまでの国庫の説明とは、少し性質が違いますね。齋藤 そうですね。外為特会は、介入をすれば別ですが、そうではない場合、月々の国としてのお金の出入りのデコボコにそこまで影響を与えないですし、FBの毎月の発行額に変化を生じさせるものではないです。むしろ外為特会のFBは根雪みたいな感じで、一定額がずっとあるイメージですね。服部 図表5を見ると、特会でお金が足りなくなったらFBを発行して金融市場から適宜ファンディングして、償還のタイミングになったら、またマーケットに返していくという流れですよね。齋藤 そうです。蔵券としてのFBの発行収入金は形式的には一般会計に入ります。一番上に「国(国庫)」と書いてありますが、一般会計や特会から独立して国庫というものがあるわけではなく、むしろ統合して観念されるものが国庫なので、この図は若干ミスリーディングかもしれないですね。 44 ファイナンス 2024 May
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