ファイナンス 2024年4月号 No.701
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202320222021202020192018201720162015201420132009201020082006200720112012(注)センサスベース。財のみ。(出所)USITC(ドル)差額全減 少額に占めるシェア(%)12.65.03.72,842,854,4082.6中国ベトナム2023(注)センサスベース。財のみ。名目値。季節調整済。HSコード2桁ベース円グラフ「その(出所)USITC37億ドル(3.4%)43億ドル(3.9%)43億ドル(3.9%)*9) JETRO「米中対立が対米サプライチェーンに与えた影響(2023年10月16日)」他」は上位11位以下の項目をまとめたもの。( )内は全減少額に占める割合。世界(右軸)メキシコ(億ドル)6,0005,0004,0003,0002,0001,00002005その他264億ドル(24.2%)アパレル製品類32億ドル(2.9%)鉄鋼製品類履物類医薬品類プラスチック製品類47億ドル(4.3%)有機化学物質類54億ドル(5.0%)中国カナダ機械類246億ドル(22.6%)電子機器類173億ドル(15.8%)玩具運動具類80億ドル(7.3%)家具寝具類72億ドル(6.6%)(億ドル)35,00030,00025,00020,00015,00010,0005,0000総合536,307,087,949427,229,201,376109,077,886,573ノートPC49,239,887,21235,506,838,80813,733,048,404スマート5,481,676,737フォン玩具4,082,579,454医薬品 (包装されたもの)(注)センサスベース。(出所)USITC6050403020100123456789101112123456789101112(注)センサスベース。(出所)USITC2022年2023年50,243,244,02744,761,567,29016,251,809,90312,169,230,4496,944,400,5154,101,546,1072022【図表5】米国の国別輸入額の推移【図表6】 2022年から2023年にかけての品目別対中輸入減少額 (減少額総額:1091億ドル)【図表7】品目別対中輸入額【図表8】米国の国別輸入額の推移(ノートPC)(億ドル)(注) 文中、意見に係る部分は全て筆者の私見であり、ありうべき誤りは全て筆者に帰する。(参考文献、出所)・ 野村総合研究所 木内登英“世界の金融市場が警戒する「トランプノミクス2.0」:日本には深刻な円高リスクも”(2024年1月17日)・ 日本総合研究所 調査部マクロ経済研究センター“米国経済展望”(2023年8月)・ 日本総合研究所 調査部マクロ経済研究センター“米国経済展望”(2024年1月)・ SIA “The CHIPS Act Has Already Sparked $300 Billion in Private Investments for U.S. Semiconductor Production”(2022年12月14日)HSコード上位8桁ごとでは、【図表7】のとおり、最も減少額が大きい品目はノートPC(全減少額に占めるシェア:12.6%)であった。ノートPCについては、【図表8】のとおりベトナムからの輸入額が増えており、供給拠点がシフトした可能性が指摘されている。ノートPCのベトナムからの輸入増加額は58.8億ドルであり、対中国輸入減少額の半分弱の額となる。一方、絶対額としては中国の方が圧倒的に大きいため、中国からの完全撤退ではなく、企業のリスク分散という見方もある*9。いずれにせよ、2018年に米中対立が顕在化して5年経過した現在、ようやく米中のデカップリングの動きが経済指標にも見え隠れするようになった。政局は変わり続けるが、経済への影響は中長期的に検討する必要があろう。本稿では、トランプ前政権以降における米国の中国を念頭においた通商、産業政策上の措置を振り返るとともに、米国経済への影響について考察した。日米の産業や貿易的立ち位置の違いを認識しながらも、米国の通商、産業政策上の施策とその後の経済への影響を中長期的に確認しておくことは、日本にとっても有用である。また通商、産業上の施策は、米国内への影響もさることながら、日本を含む諸外国に影響が波及する恐れもあることから、当方としても引き続き注視して参りたい。 70 ファイナンス 2024 Apr.6.おわりに

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