提供 プランインターナショナル ジャパン撮影 鬼室 黎キロ走を3回やったから大丈夫だよねって。それだけで終わっているのです。全然自信がなくて、ゲームを楽しんでいるかと問われたら、競技生活だって辛くて辛くて仕方がなくて、体調崩して吹き出物がいっぱいできて、かさぶたになって剥がさなければ治るのに、何の楽しみもないので、鏡の前でかさぶたを剥がすことだけが楽しみでした。選手の層が厚くなる中で、今オリンピックや世界陸上なんかでメダルを取ることはすごく大変なのです。私がやっていたときよりも練習の量も質も高くなった中で、今の選手たちは厳しい練習を、明るさを持って乗り越えようとしています。知の時間はとてつもなく長いのですが、その辛さに明るさでぶつかっていきます。まさに「知好楽」です。単にご紹介します。私は今、プラン・インターナショナル・ジャパンという国際NGOの活動をしています。こちらの写真はラオスです。貧しい地域ではどこも女の子が後回しです。男の子には「いっぱい食べなさい、教育もしっかり受けなさい」となるのですが、女の子は小学校に行かなくていい、農作業をしなさい、という感じなのです。ラオスでもやはり女の子が裸足で水汲みをしていました。でもここの家のお母さんが教育熱心で、看護士になりたいという娘が電気も通らない地域でランプのもとで一生懸命勉強していました。12.国際NGO活動最後になりますが、私の国際NGO活動について簡私がラオスで子どもたちに「日本から来た」と言っても、みんな怪訝な顔をするのですが、「一緒に走ろう! あそこの丘までみんな一緒に走ろう!」と言って走り始めたら、この写真を見てください。一緒に汗を流したらみんなが笑顔になりました。まずは一緒に走って、打ち解けてからいろんなコミュニケーションを取ろう、ということに気付かせてもらったのがラオスでした。こちらは西アフリカのトーゴに行ったときの写真です。トーゴは大変貧しい国ですが、サッカーが人気です。私が訪れる8年ぐらい前から、プラン・インターナショナルはトーゴで女子サッカーチームを作る活動を行っていました。でも女子チームを作った当初は、長老の方々が「なぜ女性が短いパンツを履いてボールを蹴るのか」と批判し、親たちも反対でした。しかし、村同士での試合などで女子選手ががんばっていると、次第に観客も増え、今では遠くの試合には村の長老が率先して応援に行くようになったのです。試合後に女子選手たちに「将来何になりたいですか?」と聞いたら、「トーゴの総理大臣になりたい」という子もいて、ご家族の方に話を聞いたら、「サッカーをやる前までは、うちの子供は声が小さかった。でもやり始めたら大きな声で話すようになった」とのこと。途上国で新しくこういうチームができて変わっていく様子を見ていますと、スポーツはまだまだいろいろと果たせることがあるなと思いました。ご清聴ありがとうございました。(以上) 64 ファイナンス 2024 Apr.
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