ファイナンス 2024年4月号 No.701
6/102

主計局主計官(厚生労働係、社会保障総括担当) 端本 秀夫主計局主計官(厚生労働、こども家庭係担当)  松本 圭介※ 高齢化による増にカウントされない、65歳未満の人口の減少に伴う社会保障関係費の減は、▲700億円程度(医療:▲200億円程度、保育給付等:▲500億円程度)*  看護職員、リハビリ専門職等の医療関係職種の賃上げ:+0.61%40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者の賃上げ:+0.28%程度1.令和6年度社会保障関係費の全体像令和6年度の社会保障関係費は、前年度(36.9兆円程度)から+8,500億円程度の37.7兆円程度となった。経済・物価動向等を踏まえつつ、社会保障関係費の実質的な伸びを高齢化による増加分におさめる方針に沿って計上(年金スライド分を除く高齢化による増は+3,700億円程度、年金スライド分の増は+3,500億円程度、消費税増収分を活用した社会保障の充実等による増は1,200億円程度)。2.令和6年度診療報酬・薬価等改定診療報酬改定については、現場で働く幅広い方々の賃上げとして、令和6年度にベア2.5%(定期昇給分を入れれば4.0%)、令和7年度にベア2.0%(同3.5%)を実現するための措置を講ずる(改定率+0.89%程度(*))。また、財務局等による機動的調査で判明した診療所の良好な経営状況等を踏まえ、診療所を中心に管理料や処方箋料等の再編等による効率化・適正化を行う(改定率▲0.25%)。こうしたメリハリのある改定を行うことで、改定率を+0.88%(国費822億円)とする。※ 国費822億円のうち、254億円は消費税財源(社会保障の充実)により対応。薬価等については、イノベーションの更なる評価や後発医薬品等の安定供給確保に対応しつつ、市場実勢価格を反映する等により▲1.00%(国費▲1,202億円)とする。(介護報酬改定)介護報酬改定については、介護現場で働く方々の処遇改善を着実に行いつつ、サービス毎の経営状況の違いも踏まえたメリハリのある対応を行うことで、改定率は全体で+1.59%(国費432億円)とする。上記+1.59%のうち、介護職員の処遇改善分として+0.98%を措置(令和6年度にベア2.5%、令和7年度にベア2.0%を実現するために必要な水準)。その上で、賃上げ税制を活用しつつ、介護職員以外の処遇改善を実現できる水準として、その他の改定率+0.61%を措置。このほか、改定率の外枠として、処遇改善加算の一本化による賃上げ効果や、光熱水費の基準費用額の増額による介護施設の増収効果として+0.45%相当の改定が見込まれ、合計すると+2.04%相当の改定となる。※ 国費432億円のうち、245億円は消費税財源(社会保障の充実)により対応。後述の第1号保険料の見直しなどを財源として活用。(障害福祉サービス等報酬改定)令和6年度障害福祉サービス等報酬改定については、 2 ファイナンス 2024 Apr.3. 令和6年度介護報酬、障害福祉サービス等報酬改定令和6年度 社会保障関係予算のポイント

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る