(引継ぎセレモニー)(江島関税局長とサンダースWCO現事務総局長)(ブレーク時の様子)*1) 文中意見等にわたる部分は、筆者の個人的見解である。この他、アウトラムWCOアジア大洋州地域代表(豪州国境警備隊長官)、イグエロCITES事務局長からも祝辞が述べられ、一連の祝辞の後には、昨年までRILO APをホストしていた韓国関税庁との間で引継ぎセレモニーが開催され、韓国関税庁の李副長官から矢倉副大臣に対し、記念プレートが贈呈された。また、これらイベントの機会に合わせ、日本を含む多くの税関当局、国際機関の間で個別の会談も多く開催され、税関当局が直面する様々な課題について直接議論が交わされる良い機会となった。サンダースWCO現事務総局長からは、RILO開所を支援できたことへの喜びと、今後のWCOと我が国の協力関係の強化への期待が示された。また、各国税関当局幹部からも、日本税関とのこれまでの協力関係や日本税関によるRILOホストへの謝辞、今後のRILOの業務への支援について積極的な発言がなされた。物流のグローバル化は前例のないスピードで進んでおり、例えば、越境電子商取引(EC)の拡大に伴い、日本における2023年の輸入許可件数は、航空貨物が2018年比で約3.7倍(約1億3,000万件)、海上貨物が約2.3倍(約1,000万件)と著しく増加している。また、人の移動についても、新型コロナウィルスの蔓延で一時的には激減したものの、近年はコロナ以前の水準に戻りつつあり、2023年には2,500万人(2019年の約8割)の外国人が訪日している。かかる状況は日本のみならず世界規模でも概ね同様となっているが、このような状況を背景として、昨今の水際取締を取り巻く環境は極めて厳しいものとなっており、日本では、2023年の水際での不正薬物押収 54 ファイナンス 2024 Apr.2. 水際取締を取り巻く環境とRILO AP招致の意義について*1(1)水際取締を取り巻く環境
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