ファイナンス 2024年4月号 No.701
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(全体写真)(ラウンドテーブルの様子)本年1月1日、WCO(世界税関機構:World Customs Organization)アジア大洋州地域情報連絡事務所(Regional Intelligence Liaison Office for Asia and the Pacific(RILO AP))が日本に開所した。RILOは、世界12か所に設置されているWCOの地域組織であり、主に以下の業務を行っている。-  地域の密輸に係わる情報を収集・分析し、地域メンバー(地域内でWCOに加入している税関当局。以下同じ。)による効率的な密輸取締の実施に資する密輸傾向情報等を発信すること、-  特定の密輸品を対象にした共同取締オペレーションやプロジェクトを企画・運営すること、-  地域メンバーの監視取締能力強化に向けた技術協力を行うことアジア大洋州地域では、RILOは持ち回りでホストしてきており、これまで香港(1987~1998年)、日本(1999~2003年)、中国(2004~2011年)、韓国(2012~2023年)がホストしてきたが、2022年5月のWCOアジア大洋州地域関税局長・長官会合において日本招致が決定され、去る2月6日に開所式が開催された。開所式は三田共用会議所(東京都港区)において開催され、翌2月7日及び8日には、「情報分析・地域協力ネットワークの強化に関するハイレベルラウンドテーブル」が実施された。開所式をはじめとする一連のイベントは、岸田総理大臣からのビデオメッセージの放映に始まり、サンダースWCO現事務総局長、財務省矢倉副大臣、御厨WCO前事務総局長などから祝意が寄せられたほか、アジア大洋州地域の税関当局、関連国際機関、国内関係機関、財務省等から約200名が参加し、RILO APへの大きな期待が寄せられた。 52 ファイナンス 2024 Apr.1. 開所式及びハイレベルラウンドテーブルについて関税局調査課企画官 臼谷 幸智WCOアジア大洋州地域情報連絡事務所の招致及び開所式について

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