*1) https://www.mof.go.jp/policy/exchequer/summary/02.pdf(出所)財務省*1図表11 国債、国の借入金に係る主な資金の流れ(概念図)出口(歳出)で国債整理基金特会が統括して返済する支出が出てくるわけですが、その一方で、図表11にあるとおり、国債を発行した収入はそれぞれの特会に直入されます。国債の発行にせよ、借入にせよ国債業務課が統括してやっていますよね。これは単なる事務として、国債業務課がまとめて対応しているのでしょうか。*1齋藤 理財局の国債業務課が事務をやっているかどうかということと、お金が全て国債整理基金特会を通るかどうかは別の話です。繰り返しになりますが、国債整理基金特会は、借金の返済と利払いをしていくための特会なので、国としてはお金が出ていく方を国全体についてまとめて整理しています。一方、国債に関する事務は、利払い・償還だけではなく発行のところも全て財務大臣、具体的には理財局の国債担当部署でやることになっているので、一般会計の国債だけでなく、財投債や復興債、今度のGX債などの発行収入金や借入金などのように収入が各々の特会に入るような場合であっても、資金調達の手続きは全て理財局の国債業務課でやる、という形になっています。これは会計としてのお金の出入りとは必ずしも関係はないのですが、「特別会計に関する法律」の16条に、「各特別会計の負担に属する借入金及び一時借入金の借入れ及び償還並びに融通証券(年度内の資金繰りの証券)の発行及び償還に関する事務は、財務大臣が行う」という規定がありまして、政府としての資金調達・返済の事務は全て財務大臣が行うということになっています。これは「特別会計に関する法律」第一章の総則において、全ての特会に共通する事項として規定されているので、どの特会に入るお金であろうが、資金の調達と返済の事務は財務省が行うということになっており、それを理財局の国債課が行っているわけです。服部 脱炭素社会に向けた支出を一般会計の中だけでやりくりした場合、ファンディングしてきた資金を一般会計の中に繰り入れて、財務省が例えば経産省や環境省に予算をつけるということがあり得ます。一方、エネ特の中の一つの勘定に、GX債を発行した収入を直接入れる方法があり、エネ特の場合、税だけによるものではないので単純には比較できない気がしますが、現在、後者の形をとっています。齋藤 GX債については特会として分けて整理されていますが、予算の査定として緩くなりにくいというのもポイントの一つです。なぜかというと、GX債というものを発行して、脱炭素のための事業をやるわけで 42 ファイナンス 2024 Apr.
元のページ ../index.html#46