ファイナンス 2024年4月号 No.701
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ケ 防衛生産基盤○ 国内の防衛生産・技術基盤を維持・強化する観点から、防衛装備品の安定的な調達に関するリスク(設備の老朽化、企業撤退等)への対応を促進するため、防衛装備品等の生産基盤強化のための体制整備事業(251億円)を実施。○ 安全保障上の観点から行う移転対象装備品の仕様・性能の調整に必要な資金を企業に助成するため、防衛装備移転円滑化のための基金(400億円)に必要額を措置。米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄県をはじめとする地元の負担軽減を図るため、在日米軍の兵力態勢の見直し等についての具体的措置を着実に実施。○ 米軍再編関係経費[地元の負担軽減に資する措置](2,130億円)・ 普天間飛行場の移設、自衛隊馬毛島基地(仮称)の施設整備、嘉手納以南の土地の返還等を推進。○ SACO関係経費(117億円)・ 沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の最終報告に盛り込まれた措置を着実に実施。イ 基地対策等関連経費(5,108億円)防衛施設と周辺地域との調和を図るため、基地周辺対策を着実に実施するとともに、在日米軍の駐留を円滑かつ効果的にするための施策を推進。○ 基地周辺対策経費(1,370億円)・ 自衛隊の行為や防衛施設の設置等により発生する障害の防止等を図るため、住宅防音や周辺環境整備を実施。○ 在日米軍駐留経費負担(「同盟強靱化予算」)(2,124億円)・ 特別協定等に基づき、在日米軍従業員の給与の負担、提供施設の整備、訓練資機材の調達等を実施。○ 施設の借料、補償経費等(1,581億円)・防衛施設用地等の借上や水面を使用して訓練を行うことによる漁業補償等を実施。5.今後の課題令和4年12月に策定された整備計画では、令和5年度から令和9年度までの5年間における計画実施に必要な防衛力整備の水準に係る金額を43兆円程度、新たに必要となる事業に係る契約額(物件費)を43.5兆円程度と定めるとともに、本計画を賄い、防衛力を安定的に維持していくための財源確保の必要性について言及している。防衛力強化に係る税制措置については、令和6年度税制改正の大綱において、たばこ税の取扱いや令和6年度の税制改正法案の附則における対応を明確化し、一定の方向性が示されたところであり、今後も、歳出・歳入両面について、この整備計画を踏まえた防衛力整備を着実に進めていく必要がある。そのためにも、整備計画で定められた金額を最大限効率的に活用するため、価格低減や事業の抜本的見直し等の取組を続けていかなければならない。「3文書」では安全保障の観点から見た経済・金融・財政の在り方についても言及されており、財政当局として、予算編成等を通じ、実効的な防衛体制の確立に貢献していくこととしたい。 32 ファイナンス 2024 Apr.(2)米軍再編、基地対策等の推進ア 米軍再編等関連軽費(2,247億円)令和6年度予算特集:3令和6年度防衛関係予算について

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