(2)医療制度改革○ イノベーションの更なる評価等を行うため、長期収載品の保険給付の在り方の見直しとして、選定療養の仕組みを導入し、後発医薬品の上市後5年以上経過したもの又は後発医薬品の置換率が50%以上となったものを対象に、後発医薬品の最高価格帯との価格差の4分の3までを保険給付の対象とすることとし、令和6年10月より施行する。(3)介護制度改革○ 第1号保険料に係る見直しについては、被保険者間の所得再分配機能を強化するため、国の定める標準段階の多段階化、高所得者の標準乗率の引上げ、低所得者の標準乗率の引下げを行う。その際、制度内での所得再分配機能に係る対応が強まることを踏まえ、低所得者の負担軽減に活用されている公費の一部(国費191億円)について、現場の従事者の処遇改善をはじめとする介護に係る社会保障の充実に活用する。○ 利用者負担が2割となる「一定以上所得」の判断基準の見直しについては、以下の内容につき、引き続き早急に、介護サービスは医療サービスと利用実態が異なること等を考慮しつつ、改めて総合的かつ多角的に検討を行い、第10期介護保険事業計画期間の開始(2027年度~)の前までに、結論を得る。ア 利用者負担の「一定以上所得」(2割負担)の判断基準について、以下の案を軸としつつ、検討を行う。(a)直近の被保険者の所得等に応じた分布を踏まえ、一定の負担上限額を設けずとも、負担増に対応できると考えられる所得を有する利用者に限って、2割負担の対象とする。働力を確保するとともに、労働者自身も希望どおり働くことのできる環境づくりに向けて、当面の対応策である「年収の壁・支援強化パッケージ」を着実に実行する。また、「年収の壁」を意識せずに働くことが可能となるよう、制度の見直しに取り組む。○ 薬剤自己負担の見直し項目である「薬剤定額一部負担」「薬剤の種類に応じた自己負担の設定」「市販品類似の医薬品の保険給付の在り方の見直し」について、引き続き検討を行う。(b)負担増への配慮を行う観点から、当分の間、一定の負担上限額を設けた上で、(b)よりも広い範囲の利用者について、2割負担の対象とする。その上で、介護サービス利用等への影響を分析の上、負担上限額の在り方について、2028年度までに、必要な見直しの検討を行う。イ アの検討にあたっては、介護保険における負担への金融資産の保有状況等の反映のあり方や、きめ細かい負担割合のあり方と併せて早急に検討を開始する。○ 介護老人保健施設及び介護医療院の多床室の室料負担の見直しについては、介護給付費分科会における議論を踏まえ、一部の施設(介護老人保健施設においては「その他型」及び「療養型」、介護医療院においては「Ⅱ型」)について、新たに室料負担(月額8千円相当)を導入する。その上で、引き続き、在宅との負担の公平性、各施設の機能や利用実態等を踏まえ、更なる見直しを含め必要な検討を行う。○ 全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)に基づき、給付と負担の在り方の不断の見直しの観点から、ケアマネジメントに関する給付の在り方や、軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方等について、第10期介護保険事業計画期間の開始までの間に(令和8年度予算編成過程等において)検討を行い、結論を得る。○ 介護施設の人員配置基準の見直しについては、介護給付費分科会の議論を踏まえ、ICT機器の活用等により、ケアの質の確保や職員の負担軽減等が行われていると認められる介護付き有料老人ホームにおける人員配置基準を特例的に柔軟化することとされた。引き続き、その他の介護施設(特別養護老人ホーム等)についても、今後の実証事業によって、介護付き有料老人ホームと同様に、介護ロボット・ICT機器の活用等による人員配置基準の特例的な柔軟化が可能である旨のエビデンスが確認された場合は、期中でも、人員配置基準の特例的な柔軟化を行う方向で、更なる見直しの検討を行う。○ 医療法人の経営情報に関するデータベースについて、 6 ファイナンス 2024 Apr.(4) 医療機関、介護施設等の経営情報の更なる見える化
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