ファイナンス 2024年3月号 No.700
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三宅町のビジョン・ミッション・バリューファイナンス 2024 Mar. 91人口は約6,500人で過疎地域に指定されているものの、「自分らしくハッピーにスモール(住もうる)タウン」をビジョンに掲げ、ビジョン実現のため、様々な事業に取り組んでいます。ン・ミッション・バリュー」を定めています。地方創生総合戦略の改定時期が到来し、改訂内容について、住民からもお話を伺う等、町全体で対話を重ねていく中で、三宅町の未来のありたい姿を、ビジョン「自分らしくハッピーにスモール(住もうる)タウン」、と言語化して打ち出すこととなりました。「自分らしく」というのは、住民が自由に生き方を選べる状態のことを意味しています。やりたいことを叶えるとき、夢を追いかけるとき、何らかのしがらみにとらわれることがない状態です。これから行政が何かを始めようとするときの一番の判断軸になると考えています。町の困りごとは、住民と行政が一緒に考え、それぞれの得意を活かしながら解決していく。町の外にもま1.はじめに三宅町は、奈良盆地の中央部に位置し、東西約3.4km、南北約2.0km、面積約4.06km2と奈良県で最も小さな町で、全国でも2番目に小さな町です。「三宅(みやけ)」という地名は古代の屯倉(みやけ)に由来します。屯倉とは大王(後の天皇)が直轄経営する領地のことです。また、万葉集にも「三宅の原・三宅道」と詠まれるなど、遺跡や環濠集落、社寺林など歴史的環境、豊かな田園風景に恵まれるなど、人々に憩いとやすらぎを与えてくれる環境が備わっています。2. ビジョン・ミッション・バリュー三宅町では、行政組織としては珍しく、「ビジョちづくりを進めてくれる仲間がたくさんいる。一人ひとりの「やりたい」の実現を、町ぐるみで応援する。多様な人とのつながりが、町を元気に魅力的にしていく、そんな未来を描いています。公務員はルールを作るクリエイティブな仕事ですので、多様な選択肢を作っていき、柔軟に制度を変えていける町にしようと、この言葉を掲げました。ミッションの「『伴走者』であり『共創者』として、共に成長し続けます」ですが、地域住民と役場職員には、上下関係はありません。役場職員は地域住民のサポートだけでもないですし、地域住民に何かを与える人でもないと考えています。地域住民の一番近くで寄り添い、ときには同じ速度で、同じ歩幅で、隣に並んで走ったり、ときにはペースメーカーとして引っ張ったり励まし合ったりして切磋琢磨し、一緒にゴールを目指す存在でありたいと願い、この言葉を設定しました。全国で2番目に小さい町が挑む、未来をつくるまちづくり〜自分らしくハッピーにスモール(住もうる)タウンの実現に向けて〜三宅町三宅町 みやけイノベーション推進部 参与岡野 憲三宅町プロジェクトマネージャー田中 友悟

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