ファイナンス 2024 Mar. 83https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8379094/www.mof.go.jp/pri/publication/■nancial_review/fr_list5/fr82.htm*7) 平成18年第3号(通巻第82号),特集「政府間財政関係の経済分析」 *8) 令和5年第1号(通巻第151号),特集「課税と給付の経済分析」 *9) 令和4年第3号(通巻第149号),特集「地方自治体行動の実証分析―地方自治体の財政運営の検証―」 https://www.mof.go.jp/pri/publication/■nancial_review/fr_list8/fr151.htmlhttps://www.mof.go.jp/pri/publication/■nancial_review/fr_list8/fr149.htmlPRI Open Campus ~財務総研の研究・交流活動紹介~ 292.責任編集について大川:もフィナレビは貴重な存在で、今後、一緒に何かできれば嬉しいです。実際に責任編集をされた特集号も刊行されていますが、責任編集していただいて、どのようなご感想をお持ちになったか、また、どういった思いで責任編集をしていただいたかというところをお伺いできれば幸いです。林:私が初めに責任編集者を拝命したのは総括主任研究官として財務総研に在籍していた時で、当時温めていた企画を当時の研究部長に相談して「やらせてくれないか」とお願いした結果だったと思います。主任研究官や総括主任研究官が責任編集をするのはその時が初めてだったのではないでしょうか。その企画は、赤井先生にもご参加いただいた82号*7です。政府間財政関係を経済学的に研究されていた同世代の先生方にお声掛けして編集した号です。今年(2023年)の2月に刊行した151号*8も思い入れはあるのですが、82号は初めての編集作業ということもありとても印象に残っています。この号はそこそこ注目されたようで、私より一つ下の世代の方が同号を見て研究を始めたとおっしゃっていただいたこともありましたので、次につなげることができたと思うとなかなか感慨深いものがあります。赤井:私は前回(149号*9)責任編集をしたのが初めての機会だったので、どのようにすれば良いのかは色々悩んでいたのですが、やはり全体としての統一感やフィナレビの役割も考えて、今後記録として皆に読んでもらえたら良いということもあって、各章の繋がりや各章がどういう位置付けであるのかなど、ある一つのトピックの中で色々な研究をバランス良く集めるという点は意識して編集作業をしました。はじめに林先生がおっしゃったように、研究者は、やはり海外の学術誌に論文を書いて業績を出してこそ意味があるというような風潮になっているので、フィナレビで執筆することの意義を理解してもらわないと、「忙しいので書きません」とか、「結局書いても業績になるんですか」とか、そういうふうに捉えられてしまうとなかなか協力してもらえないんですよね。なので、皆で日本の財政に役立つ特集号を作ることに意味があるし、その中に一本自分の論文があることは誇りにもなる。さらに、将来その分野の研究をする人にも役立つ。どちらかというと自分のためというよりは日本社会への貢献的な意味合いを理解してもらって書いていただくというところは、執筆をお願いする際に注意した点です。伴:責任編集をされる中で他に苦労された点、工夫された点などがあればお聞かせいただけますか。林:編集者としては当たり前のことですが、執筆していただいた論文を一通りしっかり読んで、必要に応じて、それぞれにコメントを作成しましたので、かなりの時間を費やしました。また、学術的にちょっと認識が違うのではないかというようなものもありました。こちらから執筆をお願いしている点もあるので、その辺りの調整は簡単ではなかったかもしれません。あまり偉そうなことは言えませんが、日本語の編著本で
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