ファイナンス 2024年3月号 No.700
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主計局主計官 小野 浩司内閣・内閣本府は重要施策に関する企画立案・総合調整の機能を担っており、その所掌は、デジタル田園都市国家構想の実現・地方創生、沖縄振興、サイバーセキュリティ政策等のほか、宇宙政策、防災、孤独・孤立対策など、極めて広い分野にわたっている。また、消費者庁、金融庁、公正取引委員会などの外局等も有している。このような幅広い分野における諸課題への対応のため、内閣・内閣本府等の6年度予算は、全体として7,522億円を計上している*1。デジタル庁は、デジタル社会実現の司令塔として、国民の利便性の向上や行政の効率化等を実現するため、国、地方公共団体、事業者等によるデジタル化の取組を牽引する役割を担っている。6年度予算では、デジタル庁の体制強化やアナログ規制の横断的な見直し等を推進するデジタル庁運営・政策経費を含め、デジタル庁全体で4,964億円を計上している。うち、政府情報システムについては、年間を通じた一元的なプロジェクト監理を実施し、国・地方の共通デジタル基盤の構築などデジタル行財政改革に関する取組も含め、効率的で利便性の高い情報システムの整備を進めるため、デジタル庁に4,803億円を一括計上している。*1) 警察庁、こども家庭庁を除く。*2) 東日本大震災復興特別会計の6年度歳出額6,331億円のうち、復興加速化・福島再生予備費(財務省所管:800億円)及び震災復興特別交付税(総務省所管:570億円)等を除いた復興庁所管計上分の予算額である。(2)デジタル庁予算1.概観(1)内閣・内閣本府等関係予算(3)復興庁予算(4)外交関係予算復興庁は、東日本大震災からの復興に関する事業の円滑かつ迅速な遂行を図るため、東日本大震災からの復興に関する施策の企画立案・総合調整等を行っている。各省庁所掌の予算については、復興に関する行政各部の事業を統括・監理する一環として、復興庁が所管する一括計上予算として東日本大震災復興特別会計に計上している。復興庁の6年度予算は、「第2期復興・創生期間」の4年度目において、被災地の復興に必要な取組を確実に実施するため、4,707億円*2を計上している。6年度の外務省予算については、厳しい国際情勢を踏まえ、安全保障対応と邦⼈保護、警備体制等を強化するとともに、ODAは民間資金等を活⽤した効果的な事業等に厚く配分するなど、総額7,417億円を計上。5年度補正予算(2,701億円)と合わせ1兆円台の予算措置となっている。ODAについては、新たな開発協⼒大綱の下、「⾃由で開かれたインド太平洋」の実現を戦略的に目指すための予算となっている。その際、ODAを呼び⽔としつつ、我が国の民間企業を含め多様な主体の参画を促していく。また、一般会計ODA予算は、5年度補正予算と合わせ8,934億円と、昨年同様近年でも最大規模となっており、ODA事業量では大幅に増額(3兆5,005億円)している。 2 ファイナンス 2024 Mar.令和6年度 内閣・内閣本府等、デジタル庁、復興庁及び外交関係予算について

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