主計局主計官 寺﨑 寛之(2)令和6年度の文教及び科学技術予算の編成においては、・ 学校における働き方改革を加速化するとともに、教育の質の向上を図るため、教員業務支援員の全小中学校への配置や小学校高学年における教科担任制を前倒し・ 高等教育の負担軽減のため、修学支援新制度(授業料等減免及び給付型奨学金)について、多子世帯や理工農系の学生等の中間層(世帯年収約600万円まで)に対象を拡大(社会保障関係費として予算措置)・ 私学助成について、経営改革や連携・統合に取り組む大学への支援を強化することで、予算を重点化するとともに、令和8年度からは、定員充足率や経営状況等が基準に満たない大学に「経営改革計画」の策定を求め、私学助成を適正化・ 研究力向上に向けて、若手研究者支援や基礎研究強化を戦略的に実施、AI・量子等の重要分野における研究開発や宇宙分野等の大型プロジェクトを推進することとしている。ファイナンス 2024 Mar. 212.文教予算2-1.小中学校教育○義務教育費国庫負担金1.概要(1)一般会計の令和6年度の文教及び科学振興費は、5兆4,716億円(令和5年度当初予算比+558億円、+1.0%)を計上している。このうち、文教関係費は4兆624億円、科学技術振興費は1兆4,092億円である。また、一般会計の文部科学省所管予算は、5兆3,384億円(令和5年度当初予算比+443億円、+0.8%)を計上している。このうち、文教関係費は4兆563億円、科学技術振興費は8,947億円、その他が3,875億円である。・ 令和3年の義務標準法の改正を踏まえた小学校5年生の35人以下学級の実現(+206人)、平成29年の義務標準法の改正を踏まえた通級指導や日本語指導が必要な児童生徒への対応等に係る教員の基礎定数化(+439人)を反映。・ その他、少子化の進展による自然減(▲4,811人)、加配定数見直し(▲550人)、国庫負担金の算定方法見直し(▲1,600人相当)を反映し、差引では▲4,266人相当の減。(別途、特例定員(+4,331人)を措置。)・ 上記に加え、令和5年人事院勧告や教職員の昇給等の影響額を適切に反映することで、全体で対前年度比+412億円を措置。○補習等のための指導員等派遣事業(15,216億円⇒15,627億円(+2.7%))・ 小学校高学年の理科・算数等の教科における教科担任制の前倒し等を行うため、2,050人の教職員定数を改善。(91億円⇒121億円(+33.0%))教員の事務負担軽減のため、学習プリント等の準備や来客・電話対応等をサポートする教員業務支援員を全小中学校へ配置(12,950人→28,100人)するほか、学校における働き方改革の効果を確実なものとするため、補習授業対応等といった学校教育活動を支援する学習指導員を引き続き配置(11,000人)する。また、副校長・教頭の学校マネジメント等にかかる業務をサポートする支援員を新たに配置(1,000人)する。令和6年度 文教及び科学振興費について
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