*9) 国際機関等への拠出で記載されている予算額は、非ODA予算も含む。(2)政府全体におけるODA予算[在外公館の強靱化][警備体制強化][在勤手当等⼈件費][旅券発給経費や国際会議費等を含んだその他経費][無償資金協⼒・技術協⼒]等、体制強化を行う経費を計上している。1,490億円(5年度1,411億円)在勤手当や現地職員給与などの⼈件費を計上している。ウ.日本ならではの効果的なODAを実現我が国の最も重要な外交ツールの一つであるODAについて、新たな開発協⼒大綱の下、効果的、戦略的に活⽤していくべく予算を確保している。とりわけ、日本の強みを活かして積極的に案件を提案するオファー型協⼒や民間資金等を活⽤した効果的なODAに手厚く措置を行い、また、ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢等、緊急的な⼈道問題に対処するための⼈道支援関連予算も十分に確保している。なお、主な構成要素については以下のとおりとなっている。無償資金協⼒は、返済義務のない資金を供与するものであり、主に、所得⽔準の低い国を対象としている。医療・保健、食糧援助といった基礎的生活分野へ75億円(5年度73億円)邦⼈保護の要となる在外公館について、危険地における大規模改修や、耐震関係の修繕等を始めとした強靱化を行うこととしている。95億円(5年度90億円)戦乱地、危険地等において警備⼈員や防弾車の配備1,048億円(5年度940億円)邦⼈の海外渡航増加や次世代旅券の導入等によって増加する旅券発給経費や、首脳レベルも含んだ各種国際会議等の運営経費等、外交の基盤を支えるために必要な予算を計上している。の援助や、地雷除去、環境保全等の取組への支援、経済発展のために必要な道路・橋梁の建設等インフラ整備への支援、災害や難民援助にかかる緊急⼈道支援など、多岐にわたる支援を実施している。技術協⼒は、感染症対策や気候変動対策といった途上国の開発課題に対処すべく、日本の技術や知見を相手国の技術者等に伝えることを目的として、国際協⼒機構が専門家の派遣や研修員の受入れ等を行うものである。6年度予算においては、「⾃由で開かれたインド太平洋」の戦略的な実現、グローバルな課題への対処、複雑さを増す安全保障・経済環境への対応等に必要な経費として、無償資金協⼒については1,562億円(5年度1,634億円)、技術協⼒については1,481億円(5年度1,519億円)を、それぞれ計上している。[国際機関等への拠出*9]国際機関等への拠出については、国連分担金等、条約等に基づく支払い義務があるもの(分担金・義務的拠出金)と、政策的判断に基づき任意に拠出するもの(任意拠出金)から構成される。いずれについても重要な外交ツールであり、国際機関等の活動の成果・影響⼒、日本の外交政策上の有⽤性・重要性、組織・財政マネジメント及び日本⼈職員・ポストの状況等を踏まえつつ、メリハリのある予算としている。6年度予算では、分担金・義務的拠出金として935億円(5年度1,151億円)、任意拠出金として248億円(5年度182億円)を、それぞれ計上している。我が国のODA予算は、経済成長及び経常収支黒字の拡大を背景に1970年代末から1990年代後半にかけて大幅に増加した後、財政構造改革に伴い、量から質への転換を果たした。今後とも重要な外交ツールの一つとして「⾃由で開かれたアジア太平洋」の実現等に向け戦略的に活⽤していくこととなる。国際社会が歴史の転換点にあり、協調の世界を目指した流れとは異なる、分断や対立といった動きも生じている状況において、⾃由で開かれた秩序の下、平和 8 ファイナンス 2024 Mar.
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