ファイナンス 2024年3月号 No.700
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【写真提供:熊本城総合事務所】天守閣(復旧完了)長塀(復旧完了)飯田丸五階櫓(石垣復旧完了)特別見学通路から臨める天守閣熊本市(3)国有地の活用学できる特別見学通路が整備されており、震災の記憶を次世代に繋げていく長期的な視点も持っています。さらに、令和5年度には、飯田丸五階櫓の石垣復旧が完了したほか、宇土櫓の解体保存作業に着手するなど完全復旧に向けて着実に歩みを進めています。写真(4)被災直後から、熊本城公園内の貸付財産の一部の土地が崩落した石垣の保管用地として利用されています。また、熊本市役所古京町別館は、熊本城公園区域に隣接し熊本城総合事務所等の庁舎として長年利用されてきましたが、熊本地震により被災して解体されることとなりました。九州財務局では、熊本市からの相談を受けて、移転により廃止されていた庁舎(旧熊本国税局分室)の土地・建物について、被災した熊本城総合事務所の応急代替施設として、新施設が完成するまでの間、無償で貸し付けるなど、災害対応や復旧に向けて国有地を活用しています。5.終わりにこのように、特別史跡の熊本城公園は、国と地方が連携して、歴史的財産の保全や地域の観光資源としての活用などに努めてきたところですが、熊本地震という大きな試練の中で、貴重な財産をより良い形で将来に繋いでいくことが地域にとっての重要な使命となっています。今後、熊本城公園の完全な復旧までには30年近くの長い年月を要することとなりますが、九州財務局としても、熊本市に対して可能な限りの協力を行い、国有財産を通じた地域貢献を果たしていく所存です。全国の皆さまも、今しか見られない復旧の様子が見学できるこの機会に、是非とも、熊本城公園にお越しください。 96 ファイナンス 2024 Mar.

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