大小(図表1)健康食品とは(図表5)健康食品のサプライチェーン購買チャネルの割合(図表3)コロナにより、健康について「以前より/新たに気にするようになったこと」がある人(図表8)日本メーカーの海外展開企業60%100%コロナに関係することでは、特にない(注)サンプルサイズ:n=84,275(図表4)コロナ禍以降の支出(上位項目抜粋)10%(出所)国立健康・栄養研究所「健康食品の実態とその安全性・有効性」、矢野経済研究所「2023年版健康食品の市場実態と展望~市場調査編~」、インテージ「『健康食品・(出所)三井住友銀行「健康食品業界の動向~「健康」をキーワードに成長する市場の戦略方向性」、TPCマーケティングリサーチ「健康食品の通販事業戦略について調査」、・健康食品の実態は、健康食品という言葉が意味する製品が暖昧なために、正確に把握することは難しい。健康食品は、一般には「健康に何らかの良い効果が期待できる食品全般」を指す。国の制度により機能等の表示を許可している「保健機能食品」とそれ以外の「いわゆる健康食品」に大別される(図表1)。・2015年の機能性表示食品制度開始以降、機能性食品市場は、話題性の高いヒット商品の発売や特定保健用食品や一般食品・飲料から機能性表示食品への切り替えにより成長している(図表2)。・新型コロナウイルス感染症拡大の中で、健康・免疫や、コロナ禍での新生活様式において生まれたストレス・睡眠問題や、運動不足による肥満への対策需要が高まった。コロナ禍では生活者のセルフヘルスケアへの意識変化がみられ(図表3)、健康に関心がある生活者において「コロナ以降支出が増えたもの」上位は、「一般的な食品・飲料(トクホや機能性表示含む)」、「健康食品・サプリメント(トクホや機能性表示含む)」となっている(図表4)。・消費者庁の許可を取得するための効果検証に、相応の費用と期間が掛かる特保を手掛ける事業者には、大手メーカーが多くみられる。一方、開発コストが相対的に低い機能性表示食品、栄養機能食品では、製品企画や広告宣伝に特化し、製造を外部に委託する企業が多く参入している(図表5)。・近時、健康食品・飲料などの特定のジャンルにおいてはECでの購入が一般的な選択肢になりつつある(図表6)。通販健康食品市場は2022年に6,077億円、2024年に6,220億円にまで拡大するとの予測もある(図表7)。・成長市場とはいえ、人口減少の一途を辿る見通しが強い日本では、2040年頃をピークに減少推移に転じる可能性も危惧される。最近ではアフィリエイト広告などに対する規制強化や競合激化による獲得効率の低下もあり、日本メーカーの海外展開が進み始めている(図表8)。・消費者にとって健康食品の効能を観察することは難しいため、食品に関する有効性、安全性について信頼できる情報提供の仕組みは生産者と消費者間の情報の非対称性を緩和する重要な役割を果たしている。海外展開については、コーデックス※の理解に加え、各国の規制に則り、その国で通用するエビデンスを揃える必要があると考えられる。※コーデックス…世界的に通用する食品規格機能性表示食品・栄養機能食品・「いわゆる健康食品」食品健康食品保健機能食品(国が機能表示を許可しているもの)特定保健用食品 ※特保栄養機能いわゆる健康食品(機能表示ができないもの)食品無承認無許可医薬品製品企画・開発原料特保大手食品・飲料メーカー等大手中心OEMメーカーサプリメント+ヘルスケアフーズ+セルフヘルスケア市場実態把握レポート2022年度版』」富士経済「健康食品における海外展開実態調査」、健康産業流通新聞、TPCビブリオテック「2020年 ヘルスケア企業のグローバル戦略調査」(企画・開発に特化)機能性食品サプリメント中小企業中心原料メーカー一般食品製品製造販売薬局等)(注1)メーカー出荷金額ベース。(注2)2022年度は見込み値、2023年度は予測値。健康食品・飲料0%通信販売ルート食品ルート(コンビニエンスストア、量販店、食品スーパー等)(億円)6,0004,0002,0000訪問販売ルート薬系ルート(ドラッグストア、0809101112131415161718192021222324(図表2)機能性表示食品市場規模 推移・予測(%)(百万円)160600,000140500,000120400,00010080300,00060200,00040100,0002000(図表6)健康食品・飲料購入額における (図表7)通販健康食品の市場予測各ジャンルの購入額におけるEC購買シェア率を算出。(注2)N=5,000(EC利用者を含むWEBモニター全体)のうち、健康食品・飲料(n=1,656)(注)調査対象:調査対象商品は健康食品全般2018EC利用67.650%前期比売上高2019202020212022(見込)2023(予測)(見込)(野菜、くだもの、魚介、肉、卵など)(生鮮食品以外・トクホや機能性表示食品含む)健康食品・サプリメント(トクホや機能性表示食品含む)0%(注)サンプルサイズ:n=10,866カゴメ(株)中国の越境ECモールに出店アサヒカルピスウェルネス(株)中国の電子商取引最大手のアリババGHと協力し越境ECサイトに販売オーストラリアの健康食品大手ブラックモアズを買収カルビー(株)キリンHD(株)オルビス(株)子会社設立(予測)0%40%20%以前よりも気にするようになったことや、新たに気にするようになったことがある生鮮食品一般的な食品・飲料販売チャネルInagoraと協業で中国向け越境ECを開始100%(注1)直近1年以内にECを利用している調査パネルの一般消費財の購買ログデータを活用し、55.46,220販売商品44.680%コロナ以降支出が増えたもの今後も、または今後、支出が増えそうなもの20%30%カゴメトマトジュース、野菜生活100、野菜生活100ジュレ、トマトケチャップ、カゴメ醸熟ソースの5品目。機能性表示食品「ラクトウェル」などの「カルピス健康通販」限定商品(健康食品)を販売。日本で300億円規模のヒット商品に育った「フルグラ」を海外で本格展開。パッケージには「北海道製造」を打ち出す方針。独自素材「プラズマ乳酸菌」の海外拡販を目指す。イスラムの教義にあった「ハラル認証」を受けた健康食品を開発。健康食品市場の現状(1)健康食品市場の現状(2)大臣官房総合政策課 調査員 河野 愛/田矢 祐樹本稿では、健康食品市場の成長性について考察する。コラム 経済トレンド116 72 ファイナンス 2024 Feb.日本における健康食品の成長性
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