ファイナンス 2024年2月号 No.699
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*1) 令和6年度のクライメート・トランジション国債の発行額は、令和5年度補正予算見合い分の発行等を考慮した金額。なお、令和5年度の発行額は1.6(図2)カレンダーベース市中発行額の推移(兆円)2.09.626.09.625.61.628.828.830.028.830.027.625.825.028兆円。流動性供給入札物価連動債クライメート・トランジション国債152.2240220200180160140120100806040200147.0平成271.61.627.61.626.424.025.221.63026.423.829(注)令和4年度までは最終補正ベース。超長期債(10年超)長期債(10年)中期債(5年)中期債(2年)短期債(1年以下)141.310.924.6134.212.622.826.4129.412.621.625.222.824.021.6令和元0.80.829.731.228.230.033.036.082.574.0212.311.426.7212.211.428.82345560.81.01.01.632.432.430.030.033.934.864.650.7203.112.029.4190.312.029.4(当初・補正後)(12月変更後)191.312.028.8171.013.227.0(年度)1.01.432.431.230.027.634.831.250.738.4(当初)消化方式別の内訳(表1右)をみると、まず、カレンダーベース市中発行額は、前年度当初比▲19.3兆円の171.0兆円となっている(図2)。減少分の大半は、コロナ禍前は発行していなかった短期国債(6か月)を皆減するなど、短期国債の減額に充当した。さらに、市場のニーズを踏まえつつ、2年債・5年債・10年債・20年債を減額するなど、年限構成の平時化を図っている。20年債は令和6年1月から前倒しで減額した一方、30年債・40年債は現在の発行額を維持し、ニーズを踏まえたメリハリのある発行とした。また、クライメート・トランジション国債は、GX経済移行債及びその借換債のうち、資金使途等を定めたフレームワークに基づいて個別銘柄として発行するものである。令和6年度は1.4兆円の発行を予定しており*1、その年限・発行回数等については、今後、市場参加者との意見交換を踏まえ、市場環境や投資ニーズ等に応じて決定していく。「その他」には、個人向け販売分や公的部門(日銀乗換)が含まれる。個人向け販売分は、足元の販売状況等を踏まえ、前年度当初と同額の3.5兆円としている。また、公的部門(日銀乗換)は、日本銀行が保有する国債が満期を迎えた際に、その一部について借換債を引き受ける制度であり、令和6年度は1.7兆円を予定している。3.おわりに令和6年度国債発行総額は、依然として極めて高い水準となっており、国債発行残高についても、令和6年度末に約1197.2兆円に達すると見込まれている(図3)。今後も借換債を含めた国債の大量発行を余儀なくされる中、これらの国債を確実かつ円滑に発行しつつ、中長期的な調達コストの抑制を図っていく観点から、国債管理政策は一層重要となっている。国債発行当局としては、引き続き国債市場の動向を注視しつつ、市場関係者との緊密な対話を行い、中長期的な需要動向を見極め、安定的で透明性の高い国債発行に努めていく所存である。(2)消化方式別発行額 34 ファイナンス 2024 Feb.

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