ファイナンス 2024年2月号 No.699
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資料7資料8≪OECD、G20での議論≫○暗号資産等を利用した脱税等のリスクが顕在化したことを受け、2022年、OECDは、各国の税務当局が自国の暗号資産交換業者等から報告される非居住者の暗号資産等取引情報を租税条約等に基づいて税務当局間で自動的に交換するための国際基準(Crypto-AssetReportingFramework;「CARF」)を策定し、承認・公表。(※)併せて、非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度(CRS)についても、報告事項を拡充する等の改訂を承認・公表。○2023年、G20首脳宣言が、「税の透明性と情報交換に関するグローバル・フォーラム(「GF」;170か国が参加するOECDの関連組織)」に対し、2027年の情報交換開始を原則とするCARF実施スケジュールの検討を要請。≪上記議論を受けた日本の対応≫○暗号資産交換業者等による、非居住者の暗号資産等取引情報の報告制度を整備する。○暗号資産交換業者等の準備期間を考慮し、2024年立法→2026年施行→2027年情報交換開始(2026年分の取引情報)のスケジュールとする。○子育て世帯は、安全・快適な住宅の確保や、こどもを扶養する者に万が一のことがあった際のリスクへの備えなど、様々なニーズを抱えており、子育て支援を進めるためには、税制においてこうしたニーズを踏まえた措置を講じていく必要がある。そうした観点から、以下の①から③について、扶養控除等の見直しと併せて行う子育て支援税制として、令和7年度税制改正において以下の方向性で検討し、結論を得る。○ただし、①及び②については、現下の急激な住宅価格の上昇等の状況を踏まえ、令和6年限りの措置として先行的に対応する。[日本から外国への情報提供のイメージ]子育て世帯及び若者夫婦世帯における借入限度額について、子育て支援の観点からの上乗せを行う。具体的には、新築等の認定住宅については500万円、新築等のZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅については1,000万円の借入限度額の上乗せ措置を講ずる。また、子育て世帯においては、住宅取得において駅近等の利便性がより重視されること等を踏まえ、新築住宅の床面積要件について合計所得金額1,000万円以下の者に限り40㎡に緩和する。東日本大震災の被災者向け措置についても、同様に、子育て世帯及び若者夫婦世帯における借入限度額の上乗せ措置を講ずる。また、新築住宅の床面積要件を緩和する。なお、所得税額から控除しきれない額については、現行制度と同じ控除限度額の範囲内で個人住民税額から控除する。この措置による個人住民税の減収額は、全額国費で補塡する。既存住宅のリフォームに係る特例措置について、子育て世代の居住環境の改善の観点から、子育て世帯及び若者夫婦世帯が行う一定の子育て対応改修工事を対象に加える。所得税において、生命保険料控除における新生命保険料に係る一般枠(遺族保障)について、23歳未満の扶養親族を有する場合には、現行の4万円の適用限度額に対して2万円の上乗せ措置を講ずることとする。なお、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除及び個人年金保険料控除の合計適用限度額については、実際の適用控除額の平均が限度額を大きく下回っている実態を踏まえ、現行の12万円から変更しない。また、一時払生命保険については、既に資産を一定程度保有している者が利用していると考えられ、万が一のリスクへの備えに対する自助努力への支援という本制度の趣旨と合致しないことから、これを控除の適用対象から除外する。(※)併せて、非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度(CRS)についても、所要の整備を行う。(注)暗号資産交換業者等から報告を受けた情報は、租税条約等の情報交換に係る規定及び租税条約等実施特例法の規定に基づき、条約相手国に提供。1.暗号資産等取引実施者は、その者の居住地国等の情報を記載した届出書を暗号資産交換業者等に提出2.暗号資産交換業者等は、一定の条約相手国を居住地国とする暗号資産等取引実施者の取引情報等を国税庁に報告3.報告制度の実効性を確保するため、以下の事項を整備⑴暗号資産等取引実施者の居住地国の特定に関する記録の作成・保存義⑵罰則(届出書の不提出、暗号資産交換業者等の不報告等)等4.令和8年(2026年)1月1日から適用務【報告制度(案)】①子育て世帯等に対する住宅ローン控除の拡充②子育て世帯等に対する住宅リフォーム税制の拡充③子育て世帯に対する生命保険料控除の拡充非居住者に係る暗号資産等取引情報の自動的交換のための報告制度の整備等(案)子育て支援に関する政策税制について 20 ファイナンス 2024 Feb.

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