ファイナンス 2024年2月号 No.699
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積立資料3【益金算入】【損金算入】①株式取得価額の70%を積立①複数回のM&Aの場合、段階的に積立率の拡大※1簿外債務が発覚した等により、減損処理を行った場合や、取得した株式を売却した場合等には、準備金を取り崩し。※2産業競争力強化法において新設する認定を受けることが要件。⃝現行制度は、M&Aに関する経営力向上計画の認定を受けた中小企業が、株式譲渡によるM&Aを行う場合に、株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積立てたときは、当該積立金額を損金算入可能とするもの。⃝今般、成長意欲のある中堅・中小企業が、複数の中小企業を子会社化し、グループ一体となって成長していくことを後押しするため、複数回のM&Aを実施する場合には、積立率を現行の70%から、2回目には90%、3回目以降は100%に拡充し、据置期間を現行の5年から10年に延長する措置を講ずることとする。これにより、中小企業の従業員の雇用を確保しつつ、成長分野への円滑な労働移動を確保する。<改正案(計画の認定期限:令和9年3月31日まで延長)>5年間均等取崩据置期間後に取り崩し成長志向を有し、優れた経営を行う企業D株現行制度新措置追加※2②据置期間※1(5年間)②10年間に長期化イメージ株式取得中小70%の積立<グループ化に向けた複数回のM&A>グループ一体での成長を実現1回目2回目中堅A社B株C株B社C社90%の積立3回目・・大企業D社100%の積立に加え、5%、さらには7%の賃上げを促していく。・ 従来の大企業のうち、常時使用従業員数2,000人以下の企業を新たに「中堅企業」と位置付けた上で、従来の賃上げ率の要件を維持しつつ、控除率を見直し、より高い賃上げを行いやすい環境を整備する。・ 中小企業においては、本税制をより使いやすいものとしていくため、従来の賃上げ要件・控除率を維持しつつ、新たに繰越控除制度を創設し、賃上げ促進税制の税額控除の額について、当期の税額から控除できなかった額を5年間という前例のない期間にわたって繰り越すことを可能とする。・ 「人への投資」の観点から、教育訓練費を増加させた場合の上乗せ要件を緩和し、活用を促進することとする。・ 子育てと仕事の両立支援や女性活躍の推進の取組みを後押しする観点から、こうした取組みに積極的な企業に対する厚生労働省による認定制度(「くるみん」、「えるぼし」)を活用し、控除率を5%上乗せする。以上により、賃上げ促進税制の最大控除率は、大企業・中堅企業については現行の30%から35%に、中小企業については現行の40%から45%に引き上がる。多くの国民の生活基盤である地域経済において、経済活動の大黒柱である中小企業の生産性の向上や経営基盤の強化を促し、中堅企業へと成長を後押ししていくことが重要となるとの認識の下、成長意欲のある中堅・中小企業が複数回のM&Aを実施する場合には、積立率を現行の70%から最大100%に拡充し、据置期間を現行の5年から10年に延長する。(資料3)GX、DX、経済安全保障という戦略分野において、民間として事業採算性に乗りにくいが、国として特段に戦略的な長期投資が不可欠となる投資を選定し、それらを中小企業事業再編投資損失準備金制度の拡充(案)(3) 中小企業事業再編投資損失準備金制度の拡充(1)戦略分野国内生産促進税制の創設3. 生産性向上・供給力強化に向けた国内投資の促進 16 ファイナンス 2024 Feb.

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