ファイナンス 2024 Feb. 11 令和5年度補正予算及び令和6年度予算についてに閣議決定した令和6年度予算の概算を変更。令和6年度予算は、歴史的な転換点の中、時代の変化に応じた先送りできない課題に挑戦し、変化の流れを掴み取るための予算としている。本予算は、前述の経済財政状況等を踏まえ、「令和6年度予算編成の基本方針」(令和5年12月8日閣議決定)に沿って編成が進められたものであり、具体的なポイントは以下のとおりである。【賃上げの実現】30年ぶりの経済の明るい兆しを経済の好循環につなげるには「物価に負けない賃上げ」の実現が必要である。医療・福祉分野において率先した賃上げ姿勢を示す観点から、診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬改定において、現場で働く幅広い方々の処遇改善として、令和6年度にベア2.5%(医療従事者の場合定昇分を入れれば4.0%)、令和7年度にベア2.0%(同3.5%)を実現するために必要な水準を措置する。賃上げ促進税制の強化とあわせ、公的価格のあり方を見直し、処遇改善加算の仕組みを拡充することで、現場で働く方々の処遇改善に構造的につながる仕組みを構築する。【こども政策等】少子化は我が国が直面する最大の危機であるとの認識の下、「こども未来戦略」に基づく「加速化プラン」をスピード感を持って実施する。具体的には、児童手当の抜本的拡充、高等教育費の負担軽減など経済的支援の強化とともに、幼児教育・保育の質の向上に取り組むほか、貧困・虐待防止、障害児支援など多様な支援ニーズへの対応を拡充する。加えて、今後増加が見込まれる育休給付の財政基盤強化も実現する。財源確保の取組として、改革工程に基づき、メリハリのある診療報酬改定や薬価制度の見直し、介護保険制度改革を実現する。【デジタル・GX】デジタルを活用し、地方の活性化や公的サービスの効率化等を推進するため、デジタル田園都市国家構想交付金により、デジタル行財政改革の先行モデル的取組や、観光・農林水産業の振興等を支援する。また、2050カーボンニュートラルに向け、官民のGX投資を促進する。【外交・安全保障】我が国周辺の厳しい安全保障環境はもとより、ウクライナ侵略・中東情勢等の激動する外交環境に対応するため、外交分野において、安全保障対応や邦人保護・危機管理の基盤を大幅強化し、同時に、統合防空ミサイル防衛や機動展開能力の向上等、防衛力を着実に強化する。【令和6年能登半島地震への対応】令和6年能登半島地震への対応として、令和6年度においても復旧・復興のフェーズ等に応じた切れ目のない機動的な対応を確保しつつ、他の予見しがたい事態にもしっかりと備えるべく、令和6年度の一般予備費について5,000億円増額し、計1兆円を計上する(注1)。これにより、令和5年度の一般予備費の残額とあわせ、一日も早い被災地の復旧・復興に向けた支援に全力を尽くす。(注1) 令和6年1月16日の閣議決定により、令和5年12月22日【歳出の効率化】同時に、「経済財政運営と改革の基本方針2023」等に基づき、歳出改革の取組を継続し(注2)、歳出構造の更なる平時化を進める中で、前年度当初予算と比較して、新規国債発行を減額している。(令和5年度(当初):35.6兆円⇒令和6年度:35.4兆円)(注2) 歳出改革の対象となる経費のうち、社会保障関係費の伸びは+3,700億円程度(年金スライド分+3,500億円程度を除く)、社会保障関係費以外の伸びは+1,600億円程度となっている。また、行政事業レビューや予算執行調査等の反映に取り組むなど、予算の質の向上にも努めている。令和6年度予算の一般歳出については、67兆7,764億円であり、これに地方交付税交付金等17兆7,863億円及び国債費27兆90億円を加えた一般会計総額は、112兆5,717億円となっている。歳入については、租税等の収入は69兆6,080億円、その他収入は7兆5,147億円を見込み、公債金は35兆4,490億円となっている。3.令和6年度予算の概要(1)令和6年度予算のポイント(2)令和6年度予算のフレーム
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