ファイナンス 2024年2月号 No.699
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写真 5 中央が長谷川ミラさんいった方からお話を聞いているのでしょうか。長谷川ミラさん 自分とは違う業界で働いている友人たちや海外にいる妹の友達たちなどですね。あとは、SNSのコメント欄は見るようにしていて、色々な意見を聞きながら、なるべく偏らないようにやっているつもりです。島貫署長 Z世代の方たちの声って政治に届いていると思いますか。長谷川ミラさん 様々な政策をみていても全く届いていないように感じますし、そもそも今の日本に期待もしていないと思います。私たちより少し上の30代の方で、特に出産や育児をしている方は、社会について自分事化できていると思いますけど、私たち若い世代の多くの人は結婚願望もなく、先日「いざとなったら海外にいけばいいや」と日本について諦めている同世代の発言もありましたが、不満があってもどうせ変わらないからと変化を起こすことすらせず、諦めムードがすごい。「もっと変えようよ!」という”熱い人”が少ないという点を私は危惧しています。亀遊係長 私も「無関心」は恐れるべきものだと感じています。税制を考える際には、その背景に経済社会の変化があり、一人ひとりの負担感や生活の状況にきめ細やかに配慮した制度設計が行われています。情報発信の際に、各担当者もその点はすごく伝えるように努力しているのですが、多くの情報が飛び交う中で、もう一歩踏み込んで個々の制度の目的や中身を知っていただく必要があると思います。本当は良い制度であったとしても、負担の側面が独り歩きをしてしまい、皆さんに正しく伝わらないという悪循環に陥ってはならないと感じています。長谷川ミラさん ニュースのタイトルだけ見て判断している人は、世代に関係なくとても多いなと思っています。私自身はアクティビストでも活動家でもないですが、「もっとニュースを見よう」という考えが根底にはあって、知ることが大きな一歩だと思っています。もっと知ってもらうことで反対の意見をもらうこともあるかもしれないけど、情報発信が一方通行になってしまっていて、これは国民の側の責任でもあると思います。友人と話していて思うのですが、例えばどのような子育て支援制度があるかを知らない人も多くて、そういう意味では、もし実際は制度がきちんと整えられているのにそれが知られていないのであれば、それはメディアに出る人間が伝えていかなければいけないことだと思っています。島貫署長 政府という組織での発言になるとどうしても固くなってしまう傾向があります。文章を作る際にも一言一句に魂を込めているときがあって、でもそれって伝える文章じゃなくて、正しくするための文章になっていたり…。正しさが優先されて「伝える」ところから外れているのかもしれません。長谷川ミラさん 伝える力が弱いですね。先ほど「手段が汚い」と言いましたが、素直さが足りないのかもしれませんね(笑)。例えば最近のSNSはもはや短い動画で伝えるツールになっていて、非常に影響力がありますが、技術が必要かもですね。あとは素直さという意味では、例えばギャルの力を借りるというのはどうですか?!(笑)もちろん自分が協力できることもあると思うので呼んでください!私が大臣のスピーチ文章考えます(笑)。阪井広報室長 色々ご提案もいただきありがとうございます。話が尽きませんが、本日はここまでとさせていただきます。自由闊達なやり取りで、素直に現状へのご疑問をいただけたかと思います。また次回、違った切り口でお話を聞ければと思います。おわりに 6 ファイナンス 2024 Feb.

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