ファイナンス 2024年1月号 No.698
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ファイナンス 2024 Jan. 64 PRI Open Campus ~財務総研の研究・交流活動紹介~ 27【写真1 政策講義の模様】【写真2 グループワークの模様】【写真3 グループワーク発表会の模様】*5) 中央アジア・コーカサスセミナーへのウズベキスタン経済財務省の招聘は2020年から。*6) 期間は従来約1ヶ月であったところを約1週間に、参加者についても従来は20人程度であったものを8名程度に縮小。*7) ウズベキスタン、アゼルバイジャン、ジョージア、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン。*8) 各国財務省から1名、BFA(Banking and Finance Academy of Uzbekistan)より9名。(引率1名含む。)(2) 2023年の中央アジア・コーカサスセミナー中央アジア・コーカサスセミナーは、その前身のセミナー(1997年開始の「BFA夏期セミナー」)も含め、研修生を東京に招聘する形で実施してきました。しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に伴い、2020年は中止、2021、22年はオンライン方式での開催とし、期間や参加数を大幅に縮小し実施しました*6。2022年秋以降、新型コロナウイルス感染症の拡大抑制対策が大幅に緩和されたことを受け、2023年の当セミナーについては、約4年ぶりの対面開催で実施することを決定しましたが、対面開催の再開にあたっては、所内において従来のカリキュラムや参加要件等の見直しを実施しました。結果的に、2023年の当セミナーは、期間を従来から1週間程度短縮した約3週間とし、ウズベキスタンをはじめとする6カ国*7から合計15名*8の参加者を東京に招聘しました。参加者はセミナー期間中(2023年8月17日~9月8日)、「政策講義」、「一般講義」、「グループワーク」、「視察」の4項目からなるカリキュラム(詳細は下記)を通じ、日本の財政及び経済に関する知識や経験、更には日本の文化や社会について集中的に学びました。タン経済財務省職員も対象に加え*5、現在に至ります。財務総研では、中央アジア・コーカサスセミナーの前身であるBFA夏期セミナーから現在に至るまで、累計で約350名(オンライン参加を含む。)の研修生を受入れてきました。彼らの中には、その後のキャリアにおいて保険市場開発庁長官や銀行協会会長、国内業界団体の幹部として活躍される方もいるなど、多くの卒業生が各国の政府内や経済・金融業界等で活躍しているとの情報に触れています。オンライン開催であった2021年及び2022年とは異なり、多くの参加者が積極的に質問を講師に投げかけるなどしており、講義中はもちろん講義後においても活発に講師を巻き込んで議論が行われる光景が非常に印象的でした。また参加者は、講義による知識の習得に加え、様々な財務省関係機関や民間企業、文化的施設への訪問や、滞在中の電車利用や買い物、食事といった日々の生活を通じて、様々な“日本”を体感することで日本への理解を深めていきました。我々セミナー運営にあたったスタッフ一同は、こうした参加者の生き生きとした様子を目の当たりにし、改めて対面(東京)でセミナーを実施することの重要性を実感する機会となりました。

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