ファイナンス 2024年1月号 No.698
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ファイナンス 2024 Jan. 30 2023年IMF・世界銀行グループ年次総会およびG20財務大臣・中央銀行総裁会議等の概要もに、RISEに対する期待や今後の展望について意見交換を行った。日本のほか、カナダ、ドイツ、イタリア、韓国、イギリスも拠出を表明しており、当初拠出総額は5,000万ドルを超える。更に多くの国々からの資金貢献を期待するとともに、RISEの実施に向け、被支援国、RISE参加国の政府関係者や開発金融機関・輸出信用機関、産業界等が参加して協調投融資に資する現場レベルの情報共有を行う現地情報プラットフォームの試行等を通じ、引き続き世界銀行や関係機関、同志国と協力して取組を進めていく。アフリカ諸国との対話を強化する観点から、大臣級イベントとしてG7‐アフリカラウンドテーブルを主催した。本総会開催国のモロッコやアフリカ連合(AU)議長国のコモロ、ナイジェリア、ザンビア等のアフリカ諸国の財務大臣に加え、G7各国、G20議長国、アフリカ開発銀行等も参加し、アフリカ諸国への資金動員について議論を行った。気候変動、パンデミック、食糧安全保障といった複合的かつグローバルな課題から特に打撃を受けているアフリカ諸国がこうした課題に対応するためには、公的資金・民間資金の両方を一層動員していくことが必要になる。公的資金に関しては、税収の増加によるアフリカ諸国の国内資金動員の必要性が指摘される一方で、G7各国による支援やRISEなどの取組の重要性も認識された。また、MDB改革や次回のIDA増資の確保等が重要であることも認識された。民間資金に関しては、投資の予見可能性と透明性を高める観点から、アフリカ諸国が投資家保護やガバナンス改革を進める必要性が認識された。さらに、債務持続可能性と透明性が投資判断の重要な要素であり、債権国が債務措置を迅速に実施する必要があることも認識された。(2023年10月14日)6  G7-アフリカラウンドテーブル

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