ファイナンス 2023年12月号 No.697
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6-4 3-1 9-7 3-1 6-4 9-7 6-4 3-1 6-4 9-7 3-1 9-7 3-1 6-4 9-7 6-4 3-1 6-4 9-7 3-1 9-7 3-1 6-4 9-7 6-4 3-1 6-4 9-7 3-1 21-01 21-01 21-01 21-01 21-01 21-01 21-01 21-01 21-01 86420▲2▲4▲6▲85(↓スイス・フラン安)020152017(注)マイナス金利導入前(2014年12月末)と比較した、スイス・フラン対ユー(出所)ブルームバーグから入手したデータより筆者作成。▲1.0▲2.025201510*2) スイス中央銀行は、物価安定の基準について、スイスの消費者物価指数の前年(同月)比「プラス2%未満でデフレーションでない水準」と定めている。4.03.02.01.00.0(↑スイス・フラン高)20162018ロ為替レートの増加率。135792019111357920201113579202111135792022112022年9月22日マイナス金利政策終了(前年同月比:%)201920202021135792023201420152016201720182019202020212022202320222015年1月マイナス金利政策導入(注)実質ベース。(出所)スイス経産省経済事務局2022年9月マイナス金利政策終了(前期比:%)【図表2】 スイスの物価上昇率 (スイス消費者物価指数、総合、前年同月比)(マイナス金利導入前(2014年12月末)との比較スイス中央銀行がスイス・フランが過大に評価されていたところ上限を設定して以降は過大な評価が弱まったとしてマイナス金利政策を導入したことを踏まえ、マイナス金利導入前後のスイス・フランの動きを概観すると次のとおりである。マイナス金利導入後(2015年1月)から終了(2022年9月)までのスイス・フランの平均値(1ユーロ=1.09スイス・フラン)は、マイナス金利政策導入前(2014年12月末)の値(1ユーロ=1.20スイス・フラン)と比べると、10.1%スイス・フラン高となっている。また、マイナス金利導入前(2014年12月末)の値と比べると、一度もスイス・フラン安とはならず、マイナス金利政策導入前と異なり常にスイス・フランが高い状態となった。【図表3】【図表3】 スイス・フラン対ユーロ相場の変化率 スイスの物価上昇率をみると、マイナス金利政策終了前(2022年8月)の物価は前年同月比3.5%であった。スイス中央銀行は2022年9月の声明において、物価は当面、高水準が続くと予想した。マイナス金利政策終了後(2022年9月)に物価上昇率は減速し、現在では同1.7%と、スイス中央銀行の目標である2%*2を下回った。【図表2】マイナス金利政策導入(2015年1月)以降のスイスの経済動向を国内総生産(GDP)でみると、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が出る(2020年入りごろ)までの間にマイナスの伸びとなったのは2018年7-9月期(前期比マイナス0.3%)のみである。ただ、これについてスイス中央銀行は、好調な状況が数四半期の間続いた反動であり、マイナスの伸びは一時的なものであると判断しているとした(2018年12月声明)。マイナス金利政策終了(2022年9月)後もGDPの伸びは横ばいあるいは低調であった。2022年1-3月期、10-12月期、2023年4-6月期は前期比0%となったが、マイナスの伸びは経験していない。【図表4】スイス中央銀行は、2023年9月会合で「失速しつつある経済への一段の悪影響を回避することを選択」として政策金利を据え置いた。今後についてIMF(国際通貨基金)は、経済見通しにおいて、スイスは2023年プラス0.9%、2024年プラス1.8%としている。【図表4】 国内総生産(GDP)の推移(実質ベース)(1)スイス・フランの動向(2)物価の動向(3)国内総生産(GDP)の動向3.マイナス金利政策実施前後の動向 48 ファイナンス 2023 Dec.

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