[13]. ジョン・ハル(2008)「フィナンシャルリスクマネジメント」[2]. 齋藤通雄・服部孝洋(2023)「齋藤通雄氏に聞く、日本国債[5]. 服部孝洋(2021)「グリッド・ポイント・センシティビティ入門―日本国債およびバリュー・アット・リスクの観点で―」『ファイナンス』,80-88.[8]. 藤井健司(2016)「増補版 金融リスク管理を変えた10大事件[3]. 清水功哉(2004)「日銀はこうして金融政策を決めている―[4]. 服部孝洋(2020)「国債先物オプション入門−プット・コー[6]. 服部孝洋(2023a)「日本国債入門」金融財政事情研究会[7]. 服部孝洋(2023b)「資本保全バッファー(CCB)およびカウンターシクリカル・バッファー(CCyB)入門―バーゼル規制における資本バッファーを通じた『プロシクリカリティ』の緩和について―」『ファイナンス』,29-40.参考文献[1]. 岩田一政(2013)「『偉大な転換』と金融市場の不安定性」日本経済研究センター市場の制度改正と歴史(前編)」『ファイナンス』, 34-45.記者が見た政策決定の現場」日本経済新聞出版ル・パリティを中心に―」『ファイナンス』,40-48.+X」きんざい上記をまとめると、国債を売却せずに金利リスクを落としたい場合でも、どの程度厳密にリスク量を落としたいかや、レポ市場やスワップ・スプレッドの動向に対する相場観などで用いるべき手段が異なることがわかります。三菱東京UFJ銀行(2012)では、シンセティック・ショートの特徴について「ベーシス・リスクやイールド・カーブの変動リスクにさらされず、保有国債のフル・ヘッジが可能である」(p.336)とする一方、シンセティック・ロングについては、「通常の国債購入と比較すると、資金負担なく、かつ既存ポートフォリオの簿価を変えることなく、国債のロングポジションを構築できる利点がある」(p.336)と整理しています。なお、本稿では金利上昇時のヘッジの観点でシンセティック・ショートについて取り上げましたが、例えばレバレッジをかけたいなどの観点でシンセティック・ロングが用いられることもあります。[9]. 三菱東京UFJ銀行(2012)「国債のすべて―その実像と最新ALMによるリスクマネジメント」きんざい[10]. 三宅裕樹・服部孝洋(2016)「イールド・カーブ推定の動向―日本における国債・準ソブリン債を中心に―」『ファイナンス』,65-71.[11]. 中山貴司・馬場直彦・栗原達司(2004)「2003年の債券相場の特徴点」『マーケット・レビュー』2004-J-1.[12]. ヒュン・ソン・シン(2015)「リスクと流動性:金融安定性の新しい経済学」東洋経済新報社ピアソンエデュケーションVaRショックについて4.おわりに今回はVaRショックについて概要を説明しました。VaRショックは銀行の運用やリスク管理について様々な影響をもたらしました。例えば、三菱東京UFJ銀行(2012)では「“VaRショック”の教訓として、ボラティリティ上昇の影響を受けやすい長期ゾーンの国債のリスク量を圧縮し、中短期ゾーンの国債運用を主体とするポートフォリオ運営が基本となった。また、リスク管理においてもVaRによるリスク管理に加えて、金融危機や国債急落などテールリスクを想定したストレステストを導入し、金利、株価、為替の急変動に伴う投資有価証券の評価損益の増減や資本への毀損などをシミュレーションするリスク管理の手法が取り入れられた」(p.350)と指摘しています。同書ではVaRショック以外のイベント(例えばリーマン・ショック)による影響など多面的な説明を行っているため、詳細は同書を参照していただければ幸いです。 24 ファイナンス 2023 Dec.
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