86420-2-4-63.2 2003年6月以降、VaRは本当に上昇(出所)日銀(2007)「金融システムレポート」(注) 日本銀行試算値。各年限の市場金利が100ベーシスポイント分パラレルに上昇することを想定してリスク量を算出し、これをTier Iで除した。(出所)日銀(2007)「金融システムレポート」図表5 各主体の国債保有額の変化額(兆円)図表6 銀行保有円債の平均残存年数図表7 保有円債リスク量(100bpv)の対Tier I比率2003年2月3月4月1月(出所)日銀第一地銀都市銀行8月9月5月6月7月10月第二地銀11月12月11501100105010009509008508007507002003年1月TOPIX6月5月2月3月4月7月(円)146国債先物(右軸)14414214013813613412月10月11月9月8月 図表8 国債先物とTOPIXの推移VaRショックについてファイナンス 2023 Dec. 19させています。銀行の金利リスクテイク(銀行が有する円債の平均残存年数)についてみたものが図表6です。これは日銀が出している「金融システムレポート」からの抜粋になりますが、大手行は2002年下期以降、年限を縮小させており、金利リスク量を低下させているということも確認できます(図表7は対自己資本の観点で円債のリスク量が低下していることを示しています)。その一方、地域銀行の金利リスクの低下は緩やかなものであることも確認できます。なお、実際には国債を売却せずに金利リスク量を落とす方法として、現物の国債をショートすることに加え、金利スワップやシンセティック・ショートなど、デリバティブを使う方法があります。シンセティック・ショートを用いた方法についてはBOX2を参照してください(金利スワップについては「日本国債入門」(服部, 2023a)を参照してください)。もっとも、VaRショックとよばれる金利上昇が起こった中、銀行のVaRが本当に上昇していたのかというと、必ずしもそうとは限りません。というのも、この時期は、株価が上がっていた時期でもあるからです。図表8はTOPIXと国債先物の値動きを示しています。国債先物は2003年6月から暴落していますが、この間、株価は上昇していることが分かります。もちろん、銀行がどの程度株式を保有しているかなどに依存しますが、この状況は、銀行が国債の運用で評価損を被ったとしても、株価上昇で評価益が生まれている状況であり、前述のVaRに関する議論をした際の分散効果が働いている状況といえます。図表9は、日銀の「資金循環統計」からみた国内銀行の国債と株式の評価損益になりますが、実は銀行はこの間、株式から利益を得ていたことが確認できます。したがって、債券のみで計算したVaRは上昇していたでしょうが、銀行のポートフォリオ全体でみたVaRはむしろ低下していた可能性すらあります。していたのかÿ ÿÿ ÿÿÿ ÿ ÿ !"ÿ !"ÿÿÿÿ"#$%&'()ÿÿ"#$%&'()ÿ !" !"ÿÿ*+,*+,*+,*+,*+,*+,*+,*+,*+,*+,ÿ#789:;<=>?$@ABCDÿEFGÿ-./0123456ÿÿ#789:;<=>?$@ABCDÿEFGÿ-./0123456ÿHH !" !"*+,*+,*+,*+,*+,;t?u#789$vwÿ;t?u#789$vwÿJxLyz{|}~eJxLyz{|}~eq cyz{|zLJxL~q cyz{|zLJxL~.o2o12e_\U.o2o12e_\Ues.6Lfceo|es.6Lfceo|}~Q ¡¢SXLOP£¤q|¥y}~Q ¡¢SXLOP£¤q|¥yQ¦§isdef¨©oª«\U_¬isQ¦§isdef¨©oª«\U_¬is®¯o°±}~²³´µes6ÿ®¯o°±}~²³´µes6ÿ12¥y¶L·¸¹ºJ»o2qo12¥y¶L·¸¹ºJ»o2qoJx¤¡_©jo¥y|_¼½c Jx¤¡_©jo¥y|_¼½c ¡L¾~Q¿ÀsdeÁo ¡Ãis¡L¾~Q¿ÀsdeÁo ¡Ãis®¯o12qoÄ¡ÃQÅÆjÆc®¯o12qoÄ¡ÃQÅÆjÆc.6ÿdp_ÇÆo¥y¶OPkUlmLÈÉ.6ÿdp_ÇÆo¥y¶OPkUlmLÈÉÊËÌ0ABCDÿE._ÍbcÎÏoJx¤¡ÊËÌ0ABCDÿE._ÍbcÎÏoJx¤¡_o2q¿Às®¯o12q£_o2q¿Às®¯o12q£¤is.6eodLÎÏLÐѤis.6eodLÎÏLÐÑÊÒo2o12e_£½q Óo1ÊÒo2o12e_£½q Óo12LOPkUlÔWlÕÖo}×jØÙÚps2LOPkUlÔWlÕÖo}×jØÙÚpsÛÜQÅÆjÆc6ÿÛÜQÅÆjÆc6ÿdLÝoÞßàáol]âãYäÌoåãâdLÝoÞßàáol]âãYäÌoåãâæçXèéoêëÉäÌàáeìckUæçXèéoêëÉäÌàáeìckUlkíSXLµæçW^fîïoðñ^íòlkíSXLµæçW^fîïoðñ^íòÔóôäÌõö÷Å÷øùijÆc.6ÔóôäÌõö÷Å÷øùijÆc.6dLäÌQyz{|úÒ_¼½c¾~o12ûdLäÌQyz{|úÒ_¼½c¾~o12ûlíSúÒeijce}×j£ÆJxolíSúÒeijce}×j£ÆJxo2üýHo12üH.6sþioÿ2q2üýHo12üH.6sþioÿ2qceodL¾~QHfcÁpjÆceodL¾~QHfcÁpjÆc6ÿñ^íòÔóôäÌL_oLäÌàác6ÿñ^íòÔóôäÌL_oLäÌàá_ÎokUlkíSXLµæçW^f_ÎokUlkíSXLµæçW^f_Æ LL»ºbc6oý_Æ LL»ºbc6oýJÓo_ÆjL£ÆÿôJÓo_ÆjL£Æÿô
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