国債費(過去の借金の返済と利息)14.3兆円竹内補佐 多かれ少なかれ、諸外国でも様々な問題が起きています。最近では例えばフランスでは年金に関係する政策が社会的な問題となっていました。日本についてみると、この30年くらいの当初予算の推移について、社会保障関係費は、それ以外の経費に比べて、大きく伸びています。また、歳出の伸び程には歳入が伸びていません。これらが財政悪化の原因○1990年度と現在の歳出を比較すると、社会保障関係費や国債費が大きく伸びています。特に社会保障は、年金、医療、介護、こども・子育てなどの分野に分けられ、国の一般会計歳出の約1/3を占めるになっています。最大の支出項目となっています。図 2 財政構造の変化カンニング竹山さん なるほど。こう見ると少子高齢化、社会保障が大きなポイントだとわかりますね。怒られてしまうかもしれませんが例を挙げて言うと、年金は、今の高齢者は僕たちより年金を払っていないのに多くもらっていますよね。こうした構造を変えていかなければならない時代の流れのように感じます。タモリさんが今の時代を「戦後ではなく、新しい戦前です」と表現したように、今は時代の変革期ではないかと思う時があります。変えることによって生じる格差や弊害も考えると悩ましいですが、社会保障も税も、働き方やエンタメも含めて、時代の変革に合わせて、いろいろ変わって進化していかなきゃいけない時期にあるのではないでしょうか。長谷川室長 大きな変革が必要な時期ではあると思いますが、政策は継続性や予見可能性も大事なので、何かをいきなりゼロにすることや急ハンドルを切ることは難しいといった問題も現実にはあります。カンニング竹山さん 最後に伺いたいですが、少子高公共事業、教育、防衛など25.1兆円社会保障11.6兆円+2.4兆円+25.3兆円公共事業、教育、防衛など27.5兆円その他8.4兆円税収などの収入60.6兆円+18.1兆円税収などの収入78.8兆円地方交付税交付金等15.3兆円地方交付税交付金等16.4兆円国債費(過去の借金の返済と利息)25.3兆円なぜ財政は悪化したのか(財政構造の変化) ファイナンス 2023 Dec. 13○歳出の増加に対し歳入は、経済成長の停滞などが影響して税収の伸びが見合っておらず、不足分を借金に頼っているため、公債金は約6倍と大幅に増加しています。(注)当初予算ベース。歳出歳入+48.1兆円1990年度66.2兆円2023年度114.4兆円1990年度66.2兆円2023年度114.4兆円+11.0兆円+1.1兆円社会保障36.9兆円公債金(借金)5.6兆円+30.0兆円公債金(借金)35.6兆円写真 4 主税局調査課 税制調査室長 長谷川 実況にあるのでしょうか?竹内補佐 現在も国の借金は積み上がっていて、少子高齢化で、社会の支え手である生産年齢人口が減る中、今の構造を維持したら、借金はより積み上がっていってしまう形になっています。カンニング竹山さん それはアナログに考えても、どこかで「もうお金はありません」となりますよね。そうならないための対策はあるのでしょうか竹内補佐 先ほども少し触れた、負担できる方に負担していただく、支援すべき方には支援する、といったシステムに変えていくことが一つだと思います。ただ、こういった対応は誰かの負担を伴うことなので合意を得るのが難しく、現在に至っているという状況だと、私自身は考えています。カンニング竹山さん そのような中、税負担のあり方について、消費税は広く個人への影響が大きいと思いますが、北欧などは日本よりも消費税率が高い代わりに、他の税負担が低かったりします。このように税の構造を大きく変えることは日本でも可能なのでしょうか?長谷川室長 税制の在り方については、国民の皆さまで議論をして決めていくのだと思います。例えば、消費税は社会保障の重要な財源になっていますし、法人税率は日本企業の国際的な競争力にも影響するように、税は私たちの社会に大きく関わってくるので、一方を下げる分、もう一方を上げるというような一筋縄の議論ではいかない難しさがあります。ただ、どういった形にせよ、少子高齢化の中で増える社会保障関係費をどう賄っていくかは課題です。カンニング竹山さん たしかに少子高齢化は大きな課題で難しいですね。諸外国も同じ状況なのでしょうか。情報発信について
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